霧の中を歩めば・・・

鎌倉時代の僧、道元(曹洞宗の開祖)「正法眼蔵」という書物の中に、「霧の中を歩めば覚えざるに衣湿る」という言葉があります。薄い霧の中を歩いていくうちに、いつのまにか衣は水気を含んで、気がつくとじっくりと湿っているという様子を示す言葉で、その意味するところwalk-in-the-mist3は「人間は知らず知らずのうちに周りに影響されるのだから、自分の身を置く環境を選ぶことが大事である」ということです。お子さんを持つ方、特に日本人は、この言葉を聞いて「やはりいい学校に入れなければ」と思う方もいらっしゃるでしょう。もちろん、学校をはじめ、お子さんがいる地域や周りの人々、友人との関係が大事なことは言うまでもありません。

では、親である自分自身が置かれている環境はどうでしょうか?心置きなく話のできる友人や、自分の目標に向かって切磋琢磨し、刺激し合うことが出来る仲間はいるでしょうか。子どもが生まれる前、よく「子どもが生まれたら人生が変わるよ」という言葉を耳にしました。実際に子どもが生まれてみると、確かに生活は一変しました。特に最初のうちは、今まであんなに時間があったときに何をしていたんだろう・・と思うほど、「自分の時間がなくなった」という感じがしていました。でも、その生活環境の変化よりもさらに大きかったことは、子どもを持つことによって起こり得た素晴らしい人々との出会いです。

ここでは私の人生を文字通り変えた二人の女性について書きます。Angie Swartzは、私の所属するSix Figure Moms Club創設者、代表です。彼女は5年ほど前まではばりばりのキャリアウーマンだったのですが、子どもが生まれたことをきっかけに、ワーク・ライフ・バランスの実現を目指して会社を辞め、本を書き始めました。今では自分のビジネスや、インターネットラジオの番組を持つなど、様々な活動で幅広く活躍しています。一人目の子どもが生まれて2ヶ月もたたない頃、彼女のSix Figure Moms Clubを偶然知って、月一度のミーティングに行き始めました。最初のうちは、ワーキングマザーで、しかも赤ちゃんの世話以外のことも話せる大人の女性の友達が欲しかったというのが主な理由で、毎月のミーティングに顔を出していましたが、そのうちにそこに集まる女性たちがそれぞれ子育てをしながら自分の目標に向かって頑張る姿を見ているうちに、自分でもやってみたいという気持ちが湧き上がってきました。子どもがいなければこの出会いはなかったかもしれません。この経緯については彼女のブログにもゲストとして書いたことがあります。

また、その意味では、もう一人私のメンターとも言える人がSusie Waltonです。彼女はIndigo Village代表、サンディエゴのGlobal Relationship Centerのオーナーでもあり、また何よりも私たちが受講した子育てセミナーの講師です。4人の男の子を育てながら、18年間にわたってこのRCBセミナーを教えている彼女は、まさにインスピレーションの泉です。また、最近ではこの経験をもとに、Key to PERSONAL FREEDOM: How Myths Affect Our Family Lives”という本を出しました。二人目の子どもが生まれる前に、友達に強く勧められて受講したこのRedirecting Children’s Behaviorコースは、私に「これを日本語で教えたい」という思いからMy Peaceful Familyを生み出す原動力を与えてくれました。

子どもがまだ小さいうちから何かを教えたいと思うとき、一番の方法は言葉に頼るのではなく「自分がモデルになること」です。自分を磨くことの出来る環境を選んで毎日を過ごしている親の姿を見せることが、子どもが自分にとって「よい霧」を選ぶ何よりのお手本になるのではないでしょうか。

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