カウチ・サーファーの悩み

こちらの記事に書いたカウチ・サーファーのネイサンは、我が家に2週間ほど滞在した後、次のステイ先に向けて出発しました。この間に、世界征服サミット(World Domination Summit)のサンディエゴ在住の参加者によるミートアップがあり、今年の7月に向けての抱負を語り合ったりする機会もありました。我が家に滞在した2週間の様子は、こちらのネイサンのブログ記事にもまとめられています。

2年半ほど旅を続けているネイサンですが、今後について実は悩んでいました。ずっと旅行を続けたい気持ちと、一箇所に留まって、ひとつのプロジェクトにじっくり取り組んでみたり、あるいはそこで出会う人々との縁を育てたいという気持ちで揺れ動いているのです。彼自身もブログ記事“Living with Too Much Uncertainty and a Fear of Commitment”に書いていますが、ひとつのところに留まると、また旅に行くことがもうできなくなるのではないか、という恐れもあるようです。また「自分は、旅をしながらも食生活を含めた健康的なライフスタイルを続けることをテーマにブログも書いているのに、旅を続けなかったらそれができなくなる」とも考えていました。旅行して面白い体験をし続けなければ、誰も自分に興味を持たないだろう、とも。

ネイサンを送り届けたあとも、このことについて考えていました。自分のアイデンティティの一部となっているプロジェクトなりゴールなり属性などに終わりがきたとき、人は“identity crisis”に陥ることがあります。例えば私が国連職員という勤務先を辞めて、結婚のためアメリカに来た当初などは、まさにこの状態でした。それまで「国連という機関で働く自分」に価値を見出していた部分がまったくなくなってしまったのですから。そういった属性をとりはらったとき、多くの人は自分とは何か?この世で何ができるのか?人の役に立つことができるのか?自分のいる意味とは、あるいは価値とは?といった疑問の答えを求めてsoul searching をすることになります。ひとつ思うことは、私たちが本来持っている性質や人間性といったものが、次へのステップへと導いてくれるのではないか、ということです。ネイサンがこれから旅を続けるのか、それともここで一旦終わりにするのか。その答えを見出そうとして取る行動そのものにも、ネイサンらしさが現れているはずです。7月の世界征服サミットでの再会を期して別れを告げながら、それまで私もまた頑張ろうと気持ちを新たにした出会いでした。

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