教員のストライキで1週間以上学校が閉鎖

全米で3番目に大きい教育区を持つシカゴで、公立学校教師労働組合が組織をしたストライキが行われ、学校がその間閉鎖するという出来事がありました。ストライキのそもそもの発端は教員の評価方法をめぐってとのことですが、労働条件についても交渉が行われ、9月10日から始まったストが一週間以上経過した火曜になって終了。今日からまた学校が再開し、それまで学校に行けなかった35万人もの児童・生徒が通学を再開したとのことです。

このニュースを聞いてまず思ったことは、いきなり学校が(しかも一週間以上も)閉鎖になるなんて、共働きの家庭にとってはとても困った事態だっただろう・・・ということです。「家で仕事をしている」という母親のインタビューを見ましたが、二人の子どもたちに午前中は家で勉強をさせ、午後は自由時間、夕方にサッカーの練習に連れて行くという一週間を過ごしたとか。計画外の「ホームスクール」状態になったようでした。でもフレキシブルな勤務形態をとる保護者がいる家庭はまだましで、両親ともより伝統的な勤務形態の会社で働いている場合、交代で有給休暇をとったりベビーシッターを雇ったりしてなんとかやりくりをせざるを得ないという家庭もたくさんあったに違いありません。ともかく学校が再開してよかった・・とほっとしている人が多いでしょう。

今朝CNNを見ていたら、教員の評価を子どもたちの達成度の結果と連動させるという案を支持するStudent Firstという団体のミシェル・リー代表がこう言っていました。「シカゴの子どもたちの中には、貧困区に住んでいて家に電気がなかったり、朝食も満足に食べられないまま学校に来ている子達が大勢います。でも家庭環境がどうであれ、学校に来ればそこで勉強することを求められる。そしてその結果成績が思わしくなければ落第するし、卒業できないということになる。つまり子どもたちにもaccountability(説明責任)を求めているのです。教員は教えることで給料をもらうプロです。困難な状況にある子どもたちにも勉強して結果を出すことを要求しているのに、大人である教員に、その仕事で結果を出すaccountabilityを求めないなんておかしいでしょう」。私も以前サンディエゴの日本語補習授業校で働いていたことがあるので、教員の評価については理事会のいちメンバーとして頭を悩ませた覚えがあります。こちらの記事によると、交渉の結果、標準テストで測られる子どもたちの達成度は評価の基準として残るものの、その割合は当初提示されていた45%から30%以下に抑えられるということになり、教員の要望がある程度認められた形になったようです。

カリフォルニア州でも今年、我が家の4歳の次男がこの秋から小学校に行けるのかどうか、州予算の関係でぎりぎりまでわからずやきもきさせられ、アメリカと日本の違いにとても驚いた経緯があります。結果的にはトランジション・キンダー・プログラムが当初の予定通り敢行されることになったのですが、来年度自分の仕事があるのかないのかわからない教員にしてみたら、教える仕事に集中できないとしても無理はない・・という気がしました。ハワイに来てみたら「12月31日までに5歳になる子どもはキンダーに行けます」ということで、次男はめでたく小学校入学を果たしましたが、そのハワイでも数年前に「週休3日制」になるということがあり、次世代の教育が政策の優先順位でどこに位置しているのか?と思わず問いたくなるような状況です。医療の分野に限らず、お金があれば最高のサービスが受けられるけれど、そうでない人にとっては一定の基準も保証されない可能性のあるアメリカ。教育においても「自助努力」や「自己責任」が強調される理由のひとつでもあるのかもしれません。

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