クオリティ・オブ・ライフ

202532_high1前回ご紹介した本「日本の子どもの自尊感情はなぜ低いのか」という古荘純一先生の本の中に、「クオリティ・オブ・ライフ」(英語のQuality Of Lifeの頭文字をとってQOL)という概念についての調査について書かれています。QOLとは自尊感情だけでなく、その人の生活に関わる要素を包括する概念です。引用すると、「たとえば、ごはんがたくさん食べられるだとか、夫婦関係がいいだとか、職場で楽しく過せるだとか、仕事が充実している、などという、これらのこと全部を含んだ概念となります。その人の生活に関わる、すべての要素を包括する、ということです。」と述べられています。

本の中では子どものQOLを図る尺度の開発やその難しさとともに、日本で子どもを対象に行われたQOLの調査結果も出ています。学年が上がるにつれてQOL総得点が減っていき、16歳までの調査対象の中では高校一年生が一番低いという結果が出ています。このまま高校2年生、高校3年生とQOL総得点が下がり続けるのかどうかは今後の調査を待たなければならないようですが、古荘先生は「幼児的な万能感を持っていた子どもたちも、世の中の現実がわかってくるにつれて、自尊感情は低下していくのが普通だとも言えます。そして一回低下しきると、下げ止まって、また、こんな自分でもいいや、という感じであがっていくのが普通のパターンだと考えられていたのですが、いまの日本の子どもの現状では、小学校3,4年生ぐらいから低下しはじめて、中学校、高校、とずっと下がりっぱなしということになっていることが、今回の調査で明らかになりました」と言われています。回復の機会がないまま大人になってしまうと、欠点はありながらも自分自身をありのままに受け入れ、日々の生活を楽しく過ごすことが難しいだろうということは容易に想像できます。

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