一年の計は…

2014年が始まりました。今年の最初の一週間は、大晦日に日本から訪ねてきた母が持ってきてくれた本を読むことで過ぎていきました。

日本語で読んだ本の一冊は「職業、ブックライター。 毎月1冊10万字書く私の方法」(上阪 徹さん)。2013年に引き続き、書くということにもっと力を入れたいと思っていたところ、尊敬する戸田美紀さんがブログで薦められていたのを見て、購入しました。

この本には、まずブックライターとはどんなお仕事なのか、そして月に1冊本を書くという作業はどんなものなのか、そのために何が必要なのかということがあますところなく公開されていて、参考になることがたくさん書かれていました。中でも「なるほど」と思ったのは、取材をもとにして本を一冊書くためのプロセスの箇所でした。一冊の本の中には、当然のことながらさまざまな要素がつまっていて、それぞれの構成要素は2000字ほど。「いつか本を書きたいが、どこから手をつけたらいいのか」と思っている人も、このように少しブレイクダウンして考えてみると、若干敷居が低くなるのではないでしょうか。私はほぼ毎日更新している「成功する国際結婚の秘訣」ブログでは毎回400字~700字程度書いているので、その少し長めの記事が3本程度の分量ということになります。今年はこのブログもより定期的に書くことを目指しているので、この2000字という文字数を頭の片隅にとどめておこうと思いました。

ブログ更新でも何でもそうですが、昨年に十分な時間を作らなかったためにできなかったことを、今年こそはやろうと思ったら、やはりそのための仕組みづくりが必要です。そのヒントになればと思って読んだのは「『時間がない』から、なんでもできる!」という本。吉田穂波さんという産婦人科のお医者さんによって書かれたこの本には、新幹線通勤でフルタイムの仕事をしつつ、子育てをし、かつアメリカの大学院に留学する準備をし、見事ハーバード大学院に合格。実際に渡米したときには、だんなさんと0歳、1歳、3歳児を連れての留学生活だったという、スーパーマンとも思えるようなことをどのように成し遂げたのかという彼女のストーリーが書かれていました。

この本を読んで、私自身わかっていはいたけど今までできていなかったことが改めて明確になり、新年早々とてもやる気が高まりました。ネットで見つけたこちらのサイトには彼女自身の執筆で、2人の小さいお子さんの子育てとフルタイムの仕事に追われながらも妊娠し、それをチャンスととらえて留学を思い切って決意した経緯が書かれていますので、興味をもたれた方は是非ご一読ください。

去年はプライベートはとても充実していた年でしたが、仕事面ではもう少しやれたかな・・・という気持ちを残したので、今年はその点もふまえて方向修正をしながら生活していきたいと思います。本年もよろしくお願いいたします!

「1万円起業」:クリス・ギレボーのベストセラー本が日本語に!

クリス・ギレボーの2冊目の本”$100 Startup”が発売されたのは2012年のことでした。その年の5月末にロサンゼルスで行われた、出版を記念したMeetupには、生後3ヶ月だった三男を連れて参加しました。

登場したクリスは「この本を読んで読者に感じ取ってもらえたら・・・と思うこと」についてこう語っていました。

・自分の人生を、まず自分にとって意味のある活動で満たしているか?そして、その自由にともなう責任を全うし、この世の中をよくすることに貢献しているか?と考えるきっかけになること。

・起業したいけど、何から手をつけていいのか?と思っている人にとって、具体的なステップを示すガイドの役割を果たすこと。

・この本を読んで「すぐに何かをやってみよう!」と思ってもらうこと。

最初の点は、彼の無料の電子書籍「世界征服のためのやさしい手引き」そして1冊目の本「常識からはみ出す生き方」のコアとなるテーマでもあります。

また、2点目については、この本を書くために、クリスは膨大な事例の中から1500を選び出し、共通するパターンを見つけ出そうとしました。バラエティに富んだ事例を提示することにより、少しでも「あ、これなら自分にもできるかもしれない」と思えるきっかけになれば、と考えたからです。そして、そのデータ分析の結果共通して出てきた具体的なステップを紹介しつつ、読者のアクションを促すワークシートやリストなども盛り込まれています。

3点目について、クリスはスピーチの中でスティーブ・ジョブズの『人の人生を生きることで時間を無駄にするな』というメッセージについて触れていました。今われわれは世界中の見も知らない人々とつながることができる、とてもスペシャルでユニークな時代に生きていること、アイディアと努力次第で道は開けること・・・だから勇気を持って一歩を踏み出してみよう、と。

この本の日本語訳「1万円起業」が9月に日本でも発売になりました。タイトルで検索すれば、日本語の書評が多数見つかりますが、世界征服サミットでご一緒した「縁もゆかりも」のゆかりさんの記事佐々木裕次郎さんのこちらの記事は特にお薦めです。実際に、私も今回日本語で改めて読んでみて、またサミットの時に感じた高揚感が蘇ってきました。クリスが週2回更新している英語のブログを読んだり、世界征服サミットに行くことは難しくても、「何かしたい」と思っている人には是非お薦めしたい一冊の本です。

映画”Least Among Saints”

先日、“Least Among Saints”という映画の特別上映があり、夫と二人で見に行ってきました。この映画は、戦場から無事に帰還したものの、不在の間に結婚生活は破綻し、アルコールに溺れ、また戦地での経験からPTSD(心的外傷後ストレス障害)になった男性が主人公という設定。一時は自殺を図るまで思い悩む彼が、隣人の母子家庭と知り合い、思わぬ形でその男の子の一時的な保護者となることをきっかけとして立ち直っていくというストーリーです。

映画としての評価はいまひとつだったこの作品。批判的なレビューを読んでみると、「帰還兵士と男の子という二人の主役の演技はよいのだが、ストーリーはリアリティに欠ける」というものがありました。自殺をする直前まで思い悩んでいた男性が、偶然に出会った男の子の世話をする状況になったからといって、PTSDやアルコール依存症が(適切な治療なしに)奇跡的に治ってしまうはずはないという指摘です。映画ではなぜ元妻と別れることになったのかが詳しく描かれていないため、私も「男の子と出会ったことで立ち直れたのなら、なぜそれを前の奥さんのために出来なかったのか?」という感想は持ちました。でも、映画という枠組みの中でストーリーを語ることの限界はありながらも、アメリカの抱える帰還兵士にまつわる問題について考えさせるきっかけとなる作品であることは確かだと思います。

今年2月に発表されたデータによると、戦場に行き帰って来た帰還兵士が自殺する割合は、なんと1日に22人にものぼります。ほぼ1時間に一人の割合で、しかもこの数字は調査の対象が22州に限られているなどの理由で「かなり保守的な見積もりのはずだ」という指摘もあり、実際にはこれよりもさらに高い可能性もあるのだそうです。また自殺しないまでも前述のPTSDのため薬やアルコールに溺れたり、除隊後に仕事を見つけることが出来ずにホームレスになる人々も大勢います。実際に、サンディエゴで交通量が多い交差点には必ずといっていいほどホームレスの人が立っていますが、その多くは“Veteran”つまり帰還兵士であるということを説明した紙をもっています。またこちらのレポートでは、現職の兵士の自殺は一日に一人の割合で、現在では戦死よりも数が多いという衝撃的な数字も明らかにされています。

この映画の特別上映会では、映画の脚本を書き、撮影を監督し自ら主役も演じたMartin Papazianが会場に来ていて、上映が終わったあとに質疑応答をする機会が設けられていました。滅多にないことなので、夫も私もいくつか質問をしましたが、この映画を作るために多くの帰還兵士や、ソーシャルワーカーにインタビューをしたと語っていました。こちらの映画のウェブサイトでも、実際の帰還兵士へのインタビューを一部見ることが出来ます。私たちが映画を見た日は、帰還兵士のサポートをするNPO団体であるOperation Homefrontと、ラホヤにあるChildren’s Schoolという私立の学校のジョイント企画で特別上映会という運びになったのですが、3月28日(木)午後7時から、今度は別の団体の企画によりハザード・センターの映画館(7510 Hazard Center Dr. #100, San Diego, California 92108)での上映会が予定されています。また4月以降も特別上映会が予定されており、こちらのウェブサイトに日程が書かれています。日常の生活に追われていると、ともすると忘れてしまいがちなアメリカの側面や、「なんでもない暮らし」ができる影で大きな犠牲を払っている人々がいることに気づかされるという点で、映画としての評価はいまいちだとしても、より広く世に知られるべき作品ではないかと感じました。

心も身体もやすらぐお店”VegiLicious”

先日、一家でロサンゼルスに行く機会があり、帰り際に長年の友人夫妻が新しくハンティントン・ビーチにオープンしたレストランに行ってきました。その名もベジリシャス。VegiLiciousはVegetable(野菜)と Delicious(美味しい)を組み合わせた名前で、看板にはAll Natural Vegan Cafeとも書かれています。

このレストランがオープンするまで、お二人の日本での経験からは想定できなかったような様々なチャレンジがあったと聞いていますが、そのひとつひとつを、二人で力を合わせて乗り越えてこられた友人夫妻。お店のグランドオープンから2週間というタイミングでやっとお店を訪れ、ドアから店内に入ったときは「おめでとうございます!」という言葉とともに、まるで生まれたての赤ちゃんを抱っこした友人を訪ねているときのような気持ちになりました。

お店に入ってテーブルにつくと「そういえば(オーナーシェフの)昭さんが家具やさんに行って悩みながら椅子を選んだっけ」とか、レストランの照明を見て「ランプのシェードは(オーナーシェフの奥さんの)あっちゃんが手作りしたんだった」とか、この1年ちょっとの間に、たまに会う機会にお二人から聞いたり、Facebook上でシェアされていたりしたひとつひとつのエピソードが思い出されてきて、食事前から本当に感慨深くなってしまいました。とはいっても3人の子連れということで、道中にネットでチェックしてあらかじめ決めてきたメニューを注文し、ひとつひとつ運ばれてきたお皿を三男の手の届かないところに置きながら食べ始めました。ご飯の写真を撮る余裕もない中、コーン・クリーム・チャウダーを11ヶ月の三男にあげたら「もっともっと!」。手を伸ばしたところをパチリ。快心の一枚の撮影に成功しました。

昭さんはこのレストランをオープンするずっと前から、AkiraTVというUstreamの番組をアメリカ西海岸の毎週土曜日夜10時からやっています。先日の番組では、改めて「VegiLicousのこだわり」について語っていました。お店で出される食事は、一切の合成添加物や化学調味料は使用しておらず、また調達が非常に難しいもの以外は全てオーガニックの食材が使われています。また、低脂肪・低塩分・低砂糖・低オイルのレシピで作っているメニューばかりなので、毎日食べても「体にいい」ご飯なのです。看板メニューはカレー。何種類もの中からこの日は豆腐カレーを頂きましたが、こちらのブログにも書かれているように、このお店のカレーは大量の野菜を長時間煮込んだもので、カレーの中身はほとんど野菜とのこと。そうか野菜を食べていたんだ・・・と後になって納得がいきました。こちらのカレーは次男に大ヒットで、何回もお代わりをしていました。

このレストランのあるハンティントン・ビーチはサンディエゴから車で1時間半ほどかかるので、ちょっとランチに・・・というには若干遠いところですが、オレンジ・カウンティやロサンゼルス方面に行く際には(あるいは口実を作って!)また食べに行きたいと思います。お店のウェブサイトはこちら、Facebookページはこちらです。お近くに行かれましたら、是非お立ち寄り下さい!



「うつ」とよりそう仕事術

以前から気になっていた本を最近やっと入手して一気に読みました。酒井一太さんという人が書いた「『うつ』とよりそう仕事術」という本です。実は著者の酒井さんとは過去に2回ほど「もう少しでお目にかかれるところだった」というシチュエーションがあり、今年になってご縁があってツイッターでも交流させていただいています。アマゾンを始めとした色々なサイトでも高い評価を得ているこの本は、タイトルどおり、「うつ」という病気を抱えながら職場に復帰する際に役立つ工夫の数々が書かれています。

まずこの本は実に読みやすい本です。平易な言葉で書かれていて、すっと頭に入ってきます。また書かれている工夫の数々の中には、「うつ病」ではないとしても、長期間にわたって体調がいまいちだったり、なんとなく気分が落ち込みがちな日々が続いたり(そういうことが全くないという人のほうが少ないのではないでしょうか?)、あるいは「やる気」がおきないとか、モチベーションが維持できないと悩んでいる人にとって役に立つヒントが必ず見つかるのでは、と思います。私自身、去年の夏ごろ、妊娠初期・中期あたりにかけては体調の悪さとともにやる気までしぼんでいた時期が長く続いたので、もっと早くこの本を手にしていれば・・・という気持ちになりました。本を読み終えて数日が経った今、一番心に残っていることは「心を開くということ」です。

以前こちらの記事に書いたように、例えば嫉妬や怒りなど、ネガティブだと認識している気持ちでいるとき、普通はそういう自分に正面から向き合いたくはないものでしょう。例えば子どもが言うことを聞かないとか、パートナーの配慮の足りない一言にかっとして思わずとった行動について、後から罪悪感を感じて反省したりはするでしょうが、そのことが起こっている瞬間は、往々にして、自分を正視したくない気持ちのほうが勝っているものです。でもそんなときに「心を開き続ける」というのは、そんな「いけてない自分」に抵抗せず、その正視したくないような気持ちともっと親密になること。もっと親密になり、友達になり、その気持ちの正体を良く知ることです。酒井さんは、うつという病気をかかえて、それでも会社に復帰して仕事をするためにどうしたらいいか考え抜き、自分の経験をブログと言う形でシェアしてきました。この本はそのブログで書かれていた「復職後の工夫」の部分に焦点をあてて、ご本人の言葉でいうと「カッコつけることなく、ありのままに」書かれたものです。本の中には、いろいろな選択肢の中で生きることよりも死ぬことのほうが魅力的にみえてしまう・・・と書かれた箇所があります(本書の工夫39で対策が示されています)。ブログや本と言う形で不特定多数の人々に向けてこういった気持ちの吐露をすることは、ときにとても勇気のいることでしょう。

生と死という選択ほど重いことではなくても、つい先日もこんな記事が酒井さんのブログにあがっていました。記事の最後に「だからこうしましょうというのがあるわけではないのですが・・・」と書かれているのですが、私はこの記事を読んで、心を開くとは結論(あるいは解決策)があるかどうかを気にせずに、今感じている感情に正直になることだ・・・と改めて思ったのです。英語では“(I’m) just putting it out there” つまり「(何になるかわからないけど)とにかく言ってみる(表現してみる)」というニュアンスの表現がありますが、これに近い「つぶやき」のような感じです。酒井さんを含め、誰でもいつも心を全開にできるわけではないでしょう。必要に応じ、場面に応じ、また相手に応じて、オープンにする度合いを調節するのが人間でありそれが「うまく世を渡る」ことでもあるでしょう。でも、まず自分に対してだけは正直になり、その次に可能なところから他に向けて表現していくこと。そのプロセスの繰り返しが好循環を生み、そのひとつの形がこの本だという気がします。

他にも印象に残った箇所はいくつかあり、例えば工夫15「気分に的を当てたコンテキストを用意する」などは全ての人にとって非常に有用です。「元気」とは「気を元に戻すこと」と聞いたことがありますが、これは「うつっぽいとき」という、落ち込んだ気分のときに行うと気分が上向きになることをリスト化しておく、というアドバイスです。あらかじめ用意してあったリストの行動を取るによって気分をコントロールするというのも、やはり自分を良く知っているからこそとれる対策だと思います。

また、この本ではパートナーシップの大切さについても触れられています。工夫37「目標を探すため、欲は否定せず大切に育てる」の最後の部分で、パートナーに自分の愛情や感謝の思いを伝える方法で、いちばん確実なのは会話の量を増やすこと、また うつ病を患っている人だけに限らず、愛情は二人で大切に育てていく姿勢が不可欠 と書かれています。今婚活中の方、すでに結婚生活何年目・・・と言う方にとっても、この言葉は示唆に富むものだと感じます。この箇所を読み、いつかご本人にお会いしたいという気持ちを新たにしたのでした。

パートナー選びに役立つアタッチメント・タイプの知識

今聴いているオーディオ・ブックは“Attached”というタイトルで、人それぞれもっている愛着(“Attachment”、アタッチメント)のタイプの違いを知ることにより、自分にあった相手を見つけ、長続きするパートナーシップを築くためにはどうしたらいいかということをテーマにした本です。パートナーシップがうまく機能しているカップルというのは、お互いに相手のニーズを適切なタイミングで満たしあうことができるものですが、この本で紹介されているコンセプトを知ることで、お互いを学ぶプロセスにかかる時間やエネルギーを劇的に短縮できる可能性があると感じました。またそれだけでなく、今まで「意中の人と交際には至るのだけれど、時間が経つとどれもうまくいかなかくなってしまう」と悩んできた人には是非お勧めしたい本です。

この本ではまず、個人がそれぞれ持っているアタッチメントのタイプ “Secure”(安定型), “Anxious”(不安型),  “Avoidant” (回避型)が解説されています。まず自分のタイプを知り、そして出会う相手がどれにあたるのかを観察することで、カップルになった場合に良い関係が保てる相手かどうかを推し量ることができます。相手のタイプを知る方法はいくつかありますが、例えば「理想の関係」について訪ねたり、あるいは過去の交際暦を聞いてみたときに、どのような返事が返ってくるかということからもヒントを得ることができます。例えば「安定型」の人は、自分自身を良く知っており、自己肯定感も高いため、自分が「いつかパートナーを見つけられるだろう」と根底では信じているため、「相手が見つかるだろうか」と極度に不安になったり、「この人を逃したら次がないんじゃないか」とはあまり考えません。恋愛の駆け引きにもそれほど興味がないため、愛情表現はストレート。また英語でよく、パートナーに求められる資質として“emotionally available”と表現されるものがありますが、安定型はこうと決めた相手と親密になることを恐れないため、例えばカップルの片方が不安になったりしても、ためらいなく「大丈夫だよ」と表現したり、その気持ちを伝えたりすることができるタイプです。「不安型」は、例えば交際相手とほんの少しの間連絡が取れなかったりすると、すぐに相手の気持ちを疑ったり不安になってしまうタイプ。「回避型」はその名のとおり、交際を始めて少し時間が経つと、自分の自由がなくなることを恐れて親密さを回避したくなってしまうタイプです。

この本は主に「不安型」の人のために書かれたそうですが、「不安型」の人が選ぶべきはやはり「安定型」の人とのこと(二人ともが「不安型」の場合、お互いのニーズが理解できてその点ではいいのでしょうが、「相手がいなくては生きていけない」という共依存になる可能性もあります)。しかし、どういうわけか「不安型」は「回避型」を選んでしまう傾向があるのだそうです。その理由として、著者は「安定型」の人は、恋愛市場に長くは留まらないのだ・・・と説明しています。他のタイプに比べて「安定型」タイプの人は交際してきた人数もやや限定される傾向にあるのは、このタイプの人はこれだと思う人を見つけたらコミットし、その人と長く続くパートナーシップを築くため、それっきり恋愛市場には滅多に戻ってこないことが多いから。一方、「回避型」の人はちょっと交際相手と親しくなると、すぐにその関係から脱する方向に動いてしまい、関係を終わらせて再び恋愛市場に戻ってくるまでのサイクルが短いため、恋愛市場にいる人々全体の中での「回避型」の割合が高いこともその一因だそうです。

また、もうひとつの理由として、「不安型」のタイプの人は、第一印象では「安定型」タイプを「退屈だ」と感じてしまうらしいこと。これは、不安型がもっている「恋愛とは?」というイメージによるもので、要は「あの人は私を好きなのかしら」と思い悩むことこそが「自分が相手に好意を持っている証拠だ」と思い込んでいるので、そういう心情のゆれを起こさせない「安定型」タイプの人を、魅力的ではないと感じる(あるいは思い込む)傾向があるのだそうです。この「不安になったり思い悩む」のは、実は愛情でなく著者の言うところの「愛着システムが起動している」という心理状態によるものなのですが、そうとは知らない本人は、ドキドキ感がない人=自分のタイプではない人と判断してしまうのです。その結果、結婚したら末永く大切にしてくれるであろう人を逃してしまっている「不安型」の人が大勢いる・・・と著者は指摘しています。

恋愛したい相手と結婚したい相手のタイプは違う・・・ということを聞きますが、交際の末に「結婚」という形をとりたいのであれば、時間を無駄にしないためにも、自分のアタッチメントのタイプをまず知り、そして相手のタイプを早い段階で見抜くことは必須かもしれません。この本は日本語訳は出ていないようですが、英語の文章はそれほど難しくないので、国際恋愛・国際結婚を目指している方は是非チェックしてみて下さい。

「深い思いやり」と「境界線」は対立する?

“Compassion”は日本語では「深い思いやり」「憐れみ」そして「共感共苦」などと訳されるようです。Compassion、つまり他人の苦しみに対して理解を示したり思いやりをもったりすること。この言葉と対比する考え方として引き合いに出されるのが“Boundary”という言葉です。文字通りでは「境界線」という意味ですが、人間関係においては「ここからここまではOK。ここから先は遠慮してもらいたい」という区切りのことを指します。

前回の記事で書いたペマ・チョドロンの本の中で、このcompassionとboundaryについて質問をした人がいました。彼女の説いている呼吸法や瞑想法では、他人(そして自分)の苦しみを少しでも理解し、心を開き続けることが目的のように言われていますが、そのこととboundaryはどういう関係にあるのか?具体的には、例えば自分を傷つける相手に対して、「傷つけられずにはいられないその人の苦しみ」に対してどこまで理解を示すべきなのか?自分のboundaryを侵されても理解を示すことを求められているのか?という趣旨です。

これに対して彼女はこう言っていました。「確かにそれは難しい問題です。そういった状況に置かれたときに自分のboundaryを尊重して、イエスかノーかをはっきりと言えるようになるには、この呼吸法以外のツールも必要になることでしょう」。ただ、と彼女は続けてあるエピソードを紹介しました。複雑な家庭環境で育ったある女性はずっと父親に殴られて育ってきました。大人になって男性と交際するようになってからも、どういうわけか自分を殴るような人ばかりを選んでしまいます。あるときに彼女と出会ったソーシャルワーカーが彼女のことを心から心配し、親身になって世話をした結果、そのとき交際していた男性と別れる決意を彼女にさせて別の町に引越しをさせ、ゼロからまた新しい生活を始める手伝いをしました。「そのとき、その暴力を受けていた女性は自分のboundaryを意識し、自分はその場から離れなければならないと決意したのです」とペマ・チョドロンは説明します。「でも、新しい町に行って一ヶ月もたたないうちに、また同じような相手との交際を始めてしまいました」。

つまり、物理的にその好ましくない場所から去ったり、人間関係を断ち切る形でboundaryを引いたと思っても、自らの内面と対峙して時には闇の部分に光を当てるというワークを同時に行っていかない限り、本質的には同じ問題が形を変えて何度でも起こることがある・・・・ということです。家庭内暴力の被害者には、加害者の行為に対する責任はありません。被害を受けている人の多くは、加害者と意味のある形でコミュニケーションをとる術をもたないばかりか、自分自身とも対話できないところまで追い込まれてしまっているでしょう。彼女はこう結んでいました。“You have to start where you are right now. There is no “later”. You have to learn how to relate to your messy areas of your life in a very compassionate way.”

自分の気持ちとも向き合えないほどに機能不全に陥った関係にある場合は、そこから物理的に離れることも必要です。ただ、そうしながらも、自分自身の気持ちに深い思いやりを持ってオープンでい続ける実践を重ねていくことが大事・・・ということでした。そしてboundaryを引くのにもcompassionを持ったやり方というのがあるはずです。このふたつは「あちらを立てればこちらが立たず」という相対する概念なのではなく、どちらも自分自身と、そして他人と親密な関係を無理なく築くためには必要なことなのでしょう。

もう嫉妬しない!ではなく・・・

最近歩く時間が増えたので、また図書館のデジタル・ライブラリーで借りたオーディオ・ブックをiPodで聴き始めました(ハワイの公立図書館でもセレクションはなかなか充実しています)。最初に借りたのはPema Chodron“Awakening Compassion: Meditation Practices for Difficult Times”という本です。Pema Chodron(ペマ・チョドロン)はチベット仏教僧で、執筆や講演活動を精力的にしている女性です。2009年9月にシャスタ山での修行に参加したとき、彼女の“When Things Fall Apart”という本を読んで来るようにという指示があり、それ以来ファンになりました。実はこの写真の本は彼女のメッセージがそれぞれ見開き2ページで書かれたポケット版で、旅行先で買い求め、いつも鞄の中に持ち歩いています。例えばレジの長い列に並んでいるときにぱっとページを開けて見たりすると、少し気分を変えることができるのでとても役立っています。この本は講演の録音という形式をとっており、チャレンジに直面したときの呼吸法や瞑想の仕方について説明しています。鍵となる言葉は“Openness”つまり心を開き続けること。導入の部分でエゴについて語っている話をご紹介します。

人は誰でも「自分の好きな部屋」にいるのが好きです。ちょうどよい温度で、自分の好きな色や調度でしつらえており、好きな音楽がかかっているような部屋で過ごす時間は、当然ながらとても居心地がよいので、外に出たくなくなります。あるいは外の世界が脅威に感じられてくるかもしれません。たまに外に出ると自分の気に入らないものが目に入ったり、嫌な音楽が聞こえてきます。今までにないほど匂いなどにも敏感になり、あわてて部屋に逃げ帰ります。そのうち、外の世界の脅威が自分の部屋に入ってくることを恐れるあまり、空気が入ってこないように窓やドアを閉め切ったりしまいには隙間にも目張りをしたり、何重にも鍵をかけたりているうち、自分の好きなはずの部屋にいることが監獄のように感じられてくるかもしれない。エゴとは「自分の好きなものしか入れない」ようにすることで、それは自分を守るために始める行為なのですが、結局は自分を監獄に閉じ込めてしまい、その結果苦しみは大きくなってしまうということを彼女は言っています。エゴの大きさと苦しみの大きさは呼応していると。彼女によると、もしエゴがもう少し柔軟で、自分を鉄壁の防御で取り囲むのではなく、気に入らない状況に対しても少しでも好奇心をもつことができならば、かえって苦しみは軽減するのです。英語では“if ego is more ventilated”と言う言い方をしています。新鮮な空気をとりいれることができれば、というニュアンスです。

世の中の色々な宗教は、この「自分の居心地がよい場所にばかりいることはいずれ偏見や憎しみを生み出してしまう」と言う考え方では一致している・・・と彼女は言っています。エゴで凝り固まってしまうと自分以外の人はすべて敵になってしまうのです。ではどうしたら、もっと窓やドアを開けて、恐れることなく外界の空気や未知のものを取り入れていけるのか?そして、やってくるなにものにも心を開き続けていけるのか?ということがこの講演のテーマになっています。そして、このopennessの練習とは、自分の苦しい状況から自らを救うため、そしてもうひとつ大事な点としては、世界のどこかで同じ苦しみを経験している人のために行うのだと説いています。またその「苦しい状況」のなかに、自分の中の好ましくない感情についてどう対応するか、ということも含まれています。

例えば、先日「他人の成功を喜ぶこと」という記事で書いたように、誰でもときには人の成功を素直に喜べない気持ちになることもあるでしょうが、自分のそういった部分が嫌で仕方がないという人もいます。それは「他人の成功を素直に喜べる人でありたい」という思いがあるから、とも言えるでしょう。そうでなければ、嫉妬していてもそんな自分が嫌だとは感じないでしょうから。ペマ・チョドロンの教えは、自分が望まない状況への対応策としてだけでなく、「自分の綺麗でない部分」「立派な人でない自分」についても心を閉ざさずにいるためのものと言えます。「そのままの自分を受け入れるため」という言い方もできるでしょう。人間の器の段階として今はここにいるんだ、と言うことに対して抵抗することがより苦しみを増すことになるからです。言い換えれば一足飛びに「嫉妬しない人になる」ことを目指すのではなく、まずは「嫉妬する自分」に対しても親切な目を向け、その気持ちとより親密な関係になるということになるでしょうか。以前ある人がこう言っていました。“Perfection is never a goal. Practice is” 目指しているのは完璧になることではなく、努力し続けること。どこまで行っても終わりのない旅ではありますが、いつでも「練習」しているのだと思えば、自分に対しても少し優しくなれるのでは・・という気がします。

絶食系男子となでしこ姫

ハワイ行きの飛行機の中で、「絶食系男子となでしこ姫  – 国際結婚の現在・過去・未来」(山田昌弘・開内文乃著)という本を読みました。著者の一人、山田昌弘教授はあの「婚活」や「パラサイトシングル」という言葉を生み出した人で、本書では、キャリア志向で海外へ飛び出し、その結果アジアの男性と結婚する女性が増加しているという現象をもとに、日本人の結婚が減少している「結婚難」という状況を解読しています。

山田教授に草食系を通り越して「絶食系」と称されてしまった人とは、「そもそも異性との交際を諦めている、または女性との交際が面倒くさいと言って恋愛欲求すらもたない男性」のこと。その背景には、若者の雇用をめぐる状況や、女性側の「結婚によって生まれ変わりたい」という「上昇婚志向」があると指摘されています。「上昇婚」とは、文化的あるいは経済的に、結婚前よりも良くなるという意味で、例えば日本人女性が欧米系男性と結婚すれば「文化的に上昇」、また国籍・人種は問わず自分よりも収入の高い人と結婚すれば「経済的に上昇」ということを指しています。要は、その人と結婚することで一段高いレベルに引き上げてくれるような相手がいいのだけれど、現状はそれだけの収入がある独身男性が減少しており、女性にとっては魅力的な相手がなかなか見つからないという現状、つまり国内での「上昇婚」が限界に達してきた結果、国際結婚がそこにあるニーズを満たす役割を担うようになってきた・・・という趣旨です。

この記事を書くにあたってレビューをいくつか読んでいたら「それでは日本人男性はどうすればいいのだ」というつぶやきがありました。この本の後半には「好きといってくれる相手と結婚したい」というキャリア志向の女性の言葉があり、彼女は「年収や学歴が自分より下でも、好きといってくれる相手がいればすでに結婚していたと思う」と言っています。つまり、男性としてみれば、自らの年収や学歴がそれほどではない(あるいは意中の女性よりも低い)としても、挽回のチャンスは大いにあるわけです。ただその一言を言ってくれる日本人男性がいないために「もう国際結婚しかないのでは」と語る声が載せられていました。

この部分を読んで、結婚願望がありながら結婚相手が見つからない人は、結婚したいという思いは純粋でも、それがどのような形で起こるべきかということに対するこだわりが強すぎるのでは、という気がしました。その強い思い込みは、相手に求める条件だったり、出会い方だったり、さまざまな面に及んでいます。男女ともにあると思われる「男性からアプローチすべき」という考え方についても同じことが言えるのではないでしょうか。また男性の「自分の収入や学歴は好きな相手とは釣り合わない、拒絶されたら恥ずかしい」という思いにしても然りです。プライドが障害となって、人生のパートナーとなり得るかもしれないチャンスを逃すのは本当にもったないことです。

実際に国際結婚をしている一人ひとりの言葉を聞けば、多くの人はその相手の人間性に惹かれて人生のパートナーを選んでいます。また、「上昇婚」という観点からは理想的なパートナーであるはずの欧米系の人、あるいはお金持ちの人と結婚したとしても、赤の他人と一緒に生活していくことの難しさはどのカップルでも経験することですし、世に言われる上昇婚をすれば間違いなく末永くハッピーになれるというほど単純なものでもないでしょう。本書で扱っているのはあくまで「結婚まで」の期間であり、結婚してから後のことには触れられていませんが、国際結婚をしたカップルはみな、言語や文化の違いなど、国際結婚特有のチャレンジも交えて試行錯誤を繰り返しながら、パートナーシップを築いています。また現在は日本であれアメリカであれ、「安定した雇用」と思われたものがいつなくなるかわからないのも事実。そのような人生の浮き沈みを含め、何が起こっても一緒に乗り超えられる(そのための努力を一緒にできる)と確信できる相手を見つけた人が、幸せな結婚生活を手にしているのではないでしょうか。

本を読みながらひとつ感じたこととしては、国際結婚だと、結婚する相手の属性によって「XXだから結婚したのね」(例えば、相手がXX人だから、お金持ちだから、エリートだから・・)と周囲から色眼鏡で見られる可能性が、日本人同士の結婚に比べてやや高いかもしれないということです。そういった好奇の、あるいは”judgmental”な目にさらされることまで含めて、国際結婚をしようと思う人は “This is my choice. I choose him to be my partner” と言い切り、自信を持って生きる覚悟が必要でしょう。見ず知らずの他人に何と思われようがかまわないし、本当に自分のことを考え、愛してくれている家族や友人であれば、いつかは自分の選択を応援してくれるはずという強い気持ちをもって、日々の幸せを享受して過ごすことにエネルギーを注ぐことができる人こそ、国際結婚に向いていると言えそうな気がします。

クリス・ギレボーの出版記念イベントに参加しました

5月31日にロサンゼルスで行われた、クリス・ギレボーの出版記念のイベントに行ってきました。サンディエゴを9時過ぎに出発し、途中でコスタメサに住む友人夫妻、そしてロサンゼルスに住む友人を訪ねながら、会場となった本屋のあるパサデナというところまに6時半過ぎに到着すると、既に多くの人が本屋の裏のスペースに集まって開始を待っていました。7時過ぎにロサンゼルス会場の主催者から紹介を受けたクリスは、どうしてこの本を書こうと思ったのかというところから話を始めました。会場を見渡してみると、老若男女、実にさまざまな人種や年齢層の人々がいて、改めてクリスの活動をフォローしたり支援したりする人々の属性の幅広さを感じさせました。クリスからの話に続き、質疑応答。「大学に行くかどうか迷っているが、どうしたらいいか」といった質問もありました。これにはクリスも“I don’t like to accept that responsibility of telling people what to do”. と前置きした上で、自分の長期的なゴールは何なのか?自分にとって何が一番大事なのか?それを達成するために、大学に行くことはどんな意味を持つのか?ということを考えてみるべきだと言っていました。そしてこの本のテーマであるマイクロビジネスを始めるためにはMBAは必要ない、とも。

会場に向かう前にロサンゼルスで会ったアメリカ人の友人は3ヶ月前、偶然にも我が家の三男と同じ日に二人目のお子さんを出産したばかり。彼女は弁護士で、会社からは6ヶ月間の産休・育休の最中でした。クリスの本の話をしたところ、とても興味を示していて「実は住宅ローンさえなければ弁護士を辞めたいとまで思っている」と言い出し、予想外のことに私も驚きました。彼女はもうすぐ2歳になる一人目のお子さんを出産したとき、一般的なアメリカ人らしくすぐに職場復帰をしたのですが、それによって子どもの最初の一年の子育ての醍醐味を味わい損ねたという思いを強く持っていたとのこと。今回は6ヶ月の産休を願い出たときに、もし却下されたら辞める覚悟をしていたそうです。すぐには無理だけれど、いずれ自分のペースでできるビジネスを始められたら・・・という気持ちを語ってくれました。今の法律事務所でパートナーにまでなった彼女でしたが、“I had no idea how I’d feel until I became a mother” と言っており、世の中には「やってみなければわからない」ことがたくさんあるな・・・と感じたのです。その意味では、憧れていた仕事に実際についてみたらちょっと違っていたと感じたり、しばらくしたら他のことがやりたくなってしまったとしても、それがわかるためには必要な道だったのだとも言えるでしょう。そんな第2、第3の「新たな出発」のために勇気を与えてくれる本でもありました。質疑応答後、本にサインをしてもらった時に数分でしたが話をすることができ、7月にポートランドでの再会を期して家路に着きました。最後にクリスの話の中で「この本で何を感じ取って欲しいか」という部分の動画を載せておきます。

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