Erinaさんへの手紙:Happiness

去年から始まったErinaさんとの文通シリーズ。今回のお題は”Happiness”で、えりなさんからはこちらのお手紙をいただいていました。

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photo-1447814890817-cf74792e6dcaErinaさん、お元気ですか? 新しい年が始まってもう2週間になりましたね。2016年はどんな年になりそうでしょうか。友達に「色占い」みたいなことをしている人がいて、直観で選んだ色(黒)を彼女に伝えてみたら、黒は大きな変化を意味すると言われました。確かに、今年は大きな変化が起きそうな予感がしています。

さて、本題に入ります(大変お待たせしてしまってごめんなさい)。

Happinessという言葉で思い出すことがあります。

去年の後半にずっと翻訳作業をしていた“Attached”という本のなかで言及されていた、アメリカの人気作家ジョン・クラカワーが書いた “Into the Wild”(邦題は「荒野へ」)というノンフィクション小説の主人公が残した言葉です。

Happiness only real when shared

将来を嘱望されていた青年がひとりでアラスカの荒野に旅立ち、自力で生き延びるものの、春になって雪解けの水でかさが増した川を渡れずにひとりで死んでいく主人公。この本はドイツで働いていたときに英語で読んだことがありましたが、久しぶりにこの引用句を目にして、ひとり異国で働きながら感じていた寂しさなどが思い出されました。

私は常々、国際結婚を目指して婚活をしている方にも「パートナーがいないと不幸・・・ではなくて、まず自分ひとりでも幸せになってください」とお伝えしています。“Happiness=Inside Job”というブログ記事にも書いたように、「XXがなければ幸せでない」という思考のままでは、求めていたものが手に入って一時的に心が満たされても、またすぐに他のものが欲しくなり、それが手に入らなければ不満に感じるようになるからです。

こう書くと、パートナーに精神的に頼るのはよくないこと、ということにもなりそうですが、”Attached”の本の中では、誰かとパートナーシップを結ぶということは、生物学的に言ってもお互いに相手を頼りあうことと同義だと解説されています。

お互いにとっての「安全基地」として機能することによって、相手は自分のことが好きなのだろうか?ちゃんと必要なときにサポートをしてくれるだろうか?という心配をする必要がなくなり、仕事や趣味に集中して成果を残すことができるのだそうです。確かに、私と夫の関係について考えてみても、相手が自分のことを常に考えたり、やりたいことをできるだけ応援しようとしてくれているかどうか本当にわからなくて思い悩むことはまずありませんし、その分、仕事や勉強や趣味に集中できるというのは確かです。

私は、自分ひとりでも生活のなかに「幸せな瞬間」を見出すことは可能だし、磨くことで培われるスキルだとも感じています。またその幸せな瞬間の記憶を多く持っている人が幸せだとも言えるでしょう。

でも、そのうえで、そうして見出した幸せな瞬間について語り合い、喜びを分かち合うことができる人がいることは、人生を豊かにしてくれるものだとも信じています。

“Happiness only real when shared”の「リアル」というのを「現実になる」とか「本当である」と訳されているものを目にしましたが、これは「シェアされない幸福は幸福ではない」という意図ではなく、幸せだとしても、分かちあう人が初めて「よりリアルに実感できる」というニュアンスなのではないかな~という気がしてきます。

えりなさんの言われているように、ハッピーにしている人のまわりには、やはり同じように、平凡な暮らしのなかにも幸福を見いだせる仲間が集まってくるものですよね。これからも、自然体で人生に起こるさまざまなことを前向きに受け止め、感謝して、人とつながることで、豊かな時間を生きていきたいなと思います。

War and Peace

photo-1447755086558-cb9e3830d677また新しい年が始まりました。英語でNew Year’s Resolutionという言葉がありますが、これは一年の始めに「今年はXXをしよう」と決めるものです。個人的には、Goal(目標)よりももう少し強い、「誓い」みたいなニュアンスなのかな?と感じています。

2015年という年は、自分としてはあまり満足のいく年ではなかったと(去年のうちは)感じていました。2014年の後半に、海を越える大きな引越しをして、生活がやっと落ち着いた春ごろから、なんとなくやる気の出ない時期がずっと長く続いたのです。今から思えば、数年越しの夢を実現させたことや、また新生活の立ち上げのストレスや緊張感などからくる疲れがでて、ある種の燃え尽き症候群だったのかもしれません。せっかく日本にいるのだから、もっと多くの人に会ったり、いろいろなことを仕掛けたりしてビジネスのチャンスを広げなければという焦りもあったりして、なかなか思い通りにものごとに集中できない自分に対していら立ちを感じることが多かったように思います。

また、これは典型的なワーキングマザーのジレンマでもあるのでしょうが、子どもたちと一緒にいるときには「仕事を頑張っていない」という気になり、子どもが学校や保育園に行ってひとりになる昼間は「子育てをきちんとできていない」という気持ちに(今までになく)苛まれたこともありました。アメリカにいるときでも、長男が生まれた2006年からずっと子どもを預けながら働いてきましたが、私は結婚する以前は「働くこと」もひとつの大切なアイデンティティであったため、この部分に関してはそれほど深刻に悩んだことはありませんでした。このジレンマを強く感じるようになったのは、日本に移住してきたからでもあったのかな、と今になって思います。アメリカで生まれた子どもたちにとっては日本は外国でしたし、特に日本の学校に通い始めた12月からの数か月間というのは、彼らもそれまでの人生の中で一番チャレンジングな時間を過ごしていたでしょう。彼らをこのクレイジーな冒険に巻き込んだ当事者として、もっとサポートしなくちゃいけないのに、というプレッシャーを無意識のうちに自分にかけていたのかもしれません。

でも年が明けてから改めて、去年動いてきたことの成果として、今年起こる予定のふたつのことについて書いてみたら、そんなに悲観したものでもなかったのかな、と思えてきました。ひとつは、横須賀基地で、基地に勤務しているアメリカ人と交際(婚約、結婚)関係にあるというカップルを対象に “Cross-cultural relationship workshop”を今月から月に一度開催すること。そしてもうひとつは、2012年にハワイで出会った“Attached”を私が翻訳した本がプレジデント社から出版されることです。また、アメリカにいたときは主に国際結婚をして困っている人からのご相談が多かったのですが、日本に来てからは、国際結婚を目指した婚活をしている方のサポートにも需要があることがわかり、仕事の幅が広がってきました。春にはグループコーチングを行い、参加してくださった皆さんからは高い評価もいただきましたし、いくつかのコラボセミナーも行いました。

クリスマスの日から旅行に出かけ、旅行の終盤で迎えた年越しはシンガポールでしたが、元旦になってからやっと「2015年はいい年だったんだ」ということに改めて気がつき、なんだか少しもったいないことをしたような気持ちになりました。「もっと達成できたのに」という意味ではなく、いろいろと素晴らしいことが起こっていたのを、そのときそのときにちゃんとappreciateできていなかったかもしれない、ということに対して。

そんなときにFacebookでLodro Rinzler”A Different Kind of New Year’s Resolution”という記事を目にしました。これは2014年の暮れに、2015年に向けて書かれたものですが、読んでみるとまさに私が2015年を過ごした心境について言及されていました。それは一言で言うと “berating”つまり厳しく批判するということです。彼は「多くの人は、前の年にできなかったことや自分の変えたい部分を新しい年に『頑張ってやり遂げよう(変えよう)』とするけれど、できていないところを直して満足しようとするのではなくて、現時点での自分自身をよりよく知って受け入れることでハッピーになったほうがよい」と説いています。

Maybe, instead of trying to fix ourselves, we should take on a resolution of self love and learn to embrace who we are at this very moment.

要するに、去年の私はself-compassionやself-loveが足りていなかったということになりそうです。私は何人かの仲間と一緒に1月11日から始まるBrene Brownのオンラインコースに参加するのですが、彼女の最新刊”Rising Strong”の中で、「人々は本当にベストを尽くしているのか?」という質問がでてきます。著者はこの質問に対する答えは常にYesだ、という立場に立った上で、“Stop loving people for who they could be and start loving them for who they are”と述べています。この文章が出てくる箇所は、組織の中で力を発揮していない人についての対応という文脈で書かれているのですが、これを自分自身に置き換えても同じことが言えるのではと感じました。私が「集中できない」「やる気がでない」と悩んでいたときにもっとも助けになったのは、「これではだめじゃないか」という批判や、「もっとやらなければ」という叱咤激励ではなくて、「今の自分にできるベストを尽くしている」ことを認めて受け入れることと、ジャッジメントではない好奇心だったはずなのです。ジャッジメントやフラストレーション、怒りはエネルギーを使うものですし、できない自分をさらにいじめていたのかと思うと、それでは長期的に持続する集中力もやる気もでなくて当然だったという気すらしてきます。

Lodroは記事の中で「自分に優しくすることと、怠けることは別」とも書いています。これは私も常に気になっていることですので、この箇所を読んで思わずニヤリとしてしまいました。「健康のためにヨガに行こう」と決めていても、つい暖かい布団から出たくなくて「自分に優しくしないとね」と言って2度寝する・・・という例が挙げられていますが、彼は「心の底では、自分に本当に優しくすることとは、心地よいと思うところから少しだけ自分を押し出すことと知っているはず」と諭しています。なぜ変わりたいと思ったのかという目的をクリアにすることも必要で、かつ、その変わろうとするプロセスの間、自分に優しい目を向けることを忘れないようにということでしょう。

If you are constantly at war with yourself, how do you think you can relate peacefully with other people?

人は成功するから幸せなのではなくて、幸せだから成功するとも言われています。どんな状況も受け入れ、認められる人が、目の前の問題を解決するクリエイティビティを発揮できるということなのでしょう。ビジネスでもプライベートでも「今年はXXを達成したい」という目標はそれなりにありますが、何よりも去年学んだことを生かして、まずはベストを尽くすこと、そして自分はベストを尽くしていると認め受け入れることを心がけたいと思います。

(image by Natasha Norton)

2000人の聴衆を前にスピーチをした日(World Domination Summit 2015)

19047671793_559f8e38cd_k2011年から4年にわたり、毎年夏に行われる世界征服サミット(World Domination Summit略してWDS)に参加してきました。何が起こるかもわからないままに参加した最初の年、「こんなイベントは今まで体験したことがない!」と衝撃を受け、イベント開催中にもう翌年の参加を決めたのでした。そして2年目は開催月が6月から7月になったこともあり、夏休みの家族旅行も兼ねてシアトルとポートランドを訪ねました。2年目の最初のスピーカーはDr.Brene Brownで、彼女の講演に深い感銘を受けたのを覚えています。過去5回の中でもこの年は講演者が秀逸だったのに加えて、閉幕の間際にWDSチームから1000人の参加者全員に100ドル札の入った封筒が手渡された回でもあり、今まででも一番印象に残っている年です。

058その翌年の2013年の夏はちょうど家族で日本に5週間滞在していたときだったので、日本から単身でポートランドまで往復し、数日間を過ごしました。講演者のひとりだったDarren Rowseの語った夢についての言葉が心に残り、WDSから帰る飛行機の中で「1年以内に一家で日本に移住する」と決意し、帰国の翌朝夫に話をしました。目標を定めて動いてきたことが翌年の6月に実を結び、その年の秋に日本への移住が実現しました。WDSに参加したことをきっかけに経験した、あるいは自分が選択したことのなかで、これは一番大きな出来事だったと言えるでしょう。

2014年のWDSでは「もう4回目になるし、今までと違う体験ができたら」との思いで、「アンバサダー」と呼ばれるボランティアスタッフとしての参加を希望し、舞台裏を体験することができました。また日本移住の2か月前だったこともあり、しばらくアメリカを離れる前にと再び家族でシアトルとポートランドを旅行し、親しい友人たちを訪ねる旅にもなりました。この年はまた、WDS本番の前に「ヨガの世界記録に挑戦する」という楽しいイベントもあって、子どもたちもその様子を見せることができたのはいい思い出です。001-1サミット参加の2か月後に日本に移住。2015年の参加を決めたのは年が明けた1月のことでした。今年はまた日本からの参加になるし、正直なところ参加をどうしようかなぁと思っていた部分もありましたが、今までの積み重ねから家族は「きっと行くんだろう」と思っていてくれたようです。そのサポートがあったことと、過去4年通う間に出会った友達にWDSで再会したいという気持ちがあり、今年1月のチケット販売の時に購入しました。

そしてあっという間にやってきた7月。例年どおり金曜日にポートランド入りし、その夜のオープニングパーティから始まって怒涛の週末を過ごし、月曜の午後にはまた日本行きのフライトに搭乗するという慌ただしいスケジュールでしたが、時差ぼけにもならずハイテンションのまま過ごした気がします。今年のハイライトはやはりサンディエゴのWDSグループの仲間に会い、楽しいひと時を過ごしたこと、そして日本のコミュニティのみんなと檀上にあがり、2000人の聴衆を前に英語でスピーチをしたことです。

11014668_969213646457377_1940160447429095605_n事の発端は5年間一緒にWDSに通った同志である堀さんのところに、数か月前にWDSチームから来た「日本のコミュニティに檀上で数分間プレゼンをしてほしい」というメールでした。それを聞いた時から「せっかく区切りとなる5年目の参加なのだから、可能なら何か新しいことをやりたい」と思い、参加予定の友人たちと色々と案を巡らせていました。紆余曲折を経て私がメインで話をすることになり、日本を出発する数日前にスピーチを書き、スライドを作ってWDSチームに送り、空港に向かう電車や飛行機の中でインデックスカードを手に一人でブツブツと練習をする旅になりました。現地入りした後に、日本のコミュニティの仲間と一緒に登壇し、彼らが見守る中で私が話すという形式で行うことに話が落ち着き、土曜の午後の長い昼休みの間に舞台リハーサルを実施(写真は榊さんがリハーサル中に撮ってくれていたものです)。その時にポートランド入りしてから思いついたことをスピーチに入れたりしたこともあって、また頭の中でイメージトレーニングをしながら落ち着かない土曜の夜を過ごし、本番の日曜の朝を迎えました。

WDSのキーワードのひとつに「コミュニティ」がありますが、それは私のスピーチのテーマでもありました。私が去年まで住んでいたサンディエゴには大勢のWDS参加者がいて、素晴らしいコミュニティが出来上がっています。私も2012年のWDSの後にその存在を知ってグループの集まりに顔を出すようになり、毎回のように顔を出す中心のメンバーとは家族ぐるみでつきあうくらい仲良くなっていました。彼らのおかげで、サンディエゴでの最後の数年はそれまで以上に豊かになったのです。DSC07007サンディエゴのグループの結びつきが強い理由のひとつは、コアのメンバーがとてもいい人たちであること。そして常に誰かがイベントを企画していて、気が向けばいつでも、夢を語り合ったり励ましあったりする仲間と会うことができる・・・そんな彼らと出会えたこと、それだけでもWDSには感謝の気持ちでいっぱいで、それをスピーチで伝えたかったのです。そして、私も新たな場所でそんなコミュニティを作りたいし、聴いてくれているみんなにもそれぞれの場所で輪を広げてほしいということも。

DSC06992今回のWDSのためにポートランド入りしたのは、去年の9月に日本に移住してほぼ10か月経ったときでした。多くの友人と再会を喜び合ううちに、私はアメリカ生活12年の間に「友達との挨拶でハグをする」ことがすっかり当たり前になっていたということ、そして、それを日本では気兼ねなくできないのを実は寂しく感じていたということに、ポートランドに来てから初めて気が付いたのです。日本で準備していたスピーチの冒頭に「私と同じく今年5回目の参加者である堀さんが毎年WDSに来る理由は、WDS恒例のBollywood Danceをするためだ」という箇所を写真とともに入れていたのですが、このハグについても、日本では自然にできないことがここでは可能になることのもうひとつの例ではないかなと感じました。そこで「日本人は挨拶でハグをする習慣がないんだけど、アメリカ生活が長かった私にとってはハグするのは自然なことだから、相手が日本人でもハグしたいと思っていたんだよね。日本だとなかなか自分の殻を破ってやりたいことをするのが難しいけど、それを変えたいと思っている」という趣旨のことを言って、スピーチの途中で一緒に檀上にいる仲間とハグをさせてもらうことにしました。

hugs土曜日のリハーサルでは立ち位置やスライドの確認などだけで、実際にスピーチを行うことはしなかったので、このハグの部分も含めて、当日はほぼぶっつけ本番の状態でした。そのためもあって途中で次のスライドへのクリックを忘れていたり、時間切れで準備していたことの全ては言えなかったりと、完璧とはほど遠い出来でした。それでも、一番言いたかったことは伝わったのではないかな?と思っています。また堀さんの提案で、スピーチの締めくくりも会場のみんなに隣りの人とハグをしよう!と呼びかけて、会場全体が和やかな雰囲気になったところで終了になりました。

スピーチが終わった直後は、とにかく檀上で転ぶこともなく無事に終わったことの安堵感でいっぱいでした。そして覚えているのは、自分たちの番が来て舞台に出ていくときに、緊張よりも嬉しいという気持ちのほうが大きくて自然にニコニコするのを止められなかったこと。2000人もの聴衆を前にスピーチすること自体、初めての経験でしたが、前日の土曜日に次々と登壇するスピーカーの講演を聴きながら、WDSの参加者はとても前のめりな感じで登壇者の呼びかけによく反応しているな~と感じていたので、たとえ失敗してもきっと大丈夫だろうという気持ちもありました。実際に話し始めたときに目に飛び込んできた人々の顔はみんな優しく、好奇心に満ち溢れた表情をしていて、それにも勇気をもらいました。19046048924_88ed3e4b04_k

私たちの番が終わり、しばらくして休憩時間になったときに会場を歩いていたら、多くの人が「とてもよかったよ~」と声をかけてくれました。そして会う人、会う人 みんなが“Let me give you a hug”と言ってハグをしてくれ、最後には “Oh, you are the hug lady!”と言う人までいたりして、今までの人生の中でも最も多くの人とハグをした日だったかもしれません。また、ある参加者からは「君のスピーチよかったよ。隣に座っていた男性はイスラム教徒だったんだけど、檀上でハグする君たちを見て”I want to hug my people too”と言っていたんだよ」と教えてくれた時は、何とも言えない嬉しい気持ちになりました。

スピーチの中で話したことのひとつには、家族への感謝の気持ちもありました。出発前に留守の間のことを夫にいろいろ引き継いでいるとき、「もう5回目だし、これで最後のWDSかな~」と言ったら、夫はそれに対して「それは素晴らしい」。私の両親のサポートもあるとはいえ、言葉もそれほどできない異国の地で留守を任されて「子どもたちが病気になったら」とか「万が一事故にあったら」という緊急事態について夫がいろいろ考えを巡らせていたのを知っていたので、まぁ当然の反応かなと受けとめました。

でも、夫は少し経ってからこう言ったのです。

You know, I am not sure if your not going to this kind of thing is the best decision for our family. After all, you are just trying to be the best person you can be. Self-exploration is necessary for that.

「君はなれる中で一番の自分になろうとして、こういうのに参加しに行くわけだから、それに行かないことが家族にとって最善とは必ずしも言えないと思うよ」。出発前夜の彼のこの言葉には本当にびっくりし、その気持ちを本当にありがたいなぁと感謝するとともに、私も彼がやりたいことはできるだけサポートしたいと改めて感じました。DSC07009スピーチの中でも、WDSに来る理由の一つとして、職場での役職や、「妻」や「母」など、各人が持ついろいろな役割に沿った言動をとることを求められるプレッシャーが比較的強い日本から少し離れることで、Who am I?” つまり自分は何者なのか、ということをゆっくり考えたり、あるいは思い出させてくれる機会のひとつであることも話しました。

そしてWDSのすべての講演プログラムが終了して閉会になったとき、WDSチームから来年の方針について、2年目と同等の1000人規模に縮小するという発表がありました。すでにそのうち半分のチケットはWDS開催期間中に完売しており、残りは500枚。それを聞いた時、やはり今年が最後だったなと確信しました。幸運にも過去5回参加することができたので、まだ行ったことがない人に席を譲りたいという気持ちもありますし、これまでの経験でWDSのコミュニティとも強いつながりができたことと、ここ数年はメインステージでの講演はサミット終了後しばらくしてから動画が発表されているので、ポートランドに行かなくても『WDS的なもの』に物理的にも心理的にもいつでもアクセスができるということもありました。

堀さんもブログにこんなことを書いていますし、この経験から次に何を生み出していけるかを一緒に模索していきたいものです。また、2016年はWDSに行かない代わりに、自分の専門分野における見聞をさらに深めるための会議やワークショップなどに参加できればと思っています。例年どおりクロージングパーティでは踊り倒し、それも終わってしまった後には、親しい友達たちに「来年は戻ってこないけど、またどこかで会おう」と再会を期し別れを告げました。今までのサミットの思い出が交錯して、またもう当分は会わないかもしれない人々の顔が浮かんだりして、bitter sweetな幕切れでもありましたが、何か「やり切った」というような清々しい気持ちもありました。やはり最後は「ありがとう」という言葉で締めくくりたいと思います。
Thank you & until we meet again!19653483776_1420bf6789_k (images: Armosa Studios)

一年の計は…

2014年が始まりました。今年の最初の一週間は、大晦日に日本から訪ねてきた母が持ってきてくれた本を読むことで過ぎていきました。

日本語で読んだ本の一冊は「職業、ブックライター。 毎月1冊10万字書く私の方法」(上阪 徹さん)。2013年に引き続き、書くということにもっと力を入れたいと思っていたところ、尊敬する戸田美紀さんがブログで薦められていたのを見て、購入しました。

この本には、まずブックライターとはどんなお仕事なのか、そして月に1冊本を書くという作業はどんなものなのか、そのために何が必要なのかということがあますところなく公開されていて、参考になることがたくさん書かれていました。中でも「なるほど」と思ったのは、取材をもとにして本を一冊書くためのプロセスの箇所でした。一冊の本の中には、当然のことながらさまざまな要素がつまっていて、それぞれの構成要素は2000字ほど。「いつか本を書きたいが、どこから手をつけたらいいのか」と思っている人も、このように少しブレイクダウンして考えてみると、若干敷居が低くなるのではないでしょうか。私はほぼ毎日更新している「成功する国際結婚の秘訣」ブログでは毎回400字~700字程度書いているので、その少し長めの記事が3本程度の分量ということになります。今年はこのブログもより定期的に書くことを目指しているので、この2000字という文字数を頭の片隅にとどめておこうと思いました。

ブログ更新でも何でもそうですが、昨年に十分な時間を作らなかったためにできなかったことを、今年こそはやろうと思ったら、やはりそのための仕組みづくりが必要です。そのヒントになればと思って読んだのは「『時間がない』から、なんでもできる!」という本。吉田穂波さんという産婦人科のお医者さんによって書かれたこの本には、新幹線通勤でフルタイムの仕事をしつつ、子育てをし、かつアメリカの大学院に留学する準備をし、見事ハーバード大学院に合格。実際に渡米したときには、だんなさんと0歳、1歳、3歳児を連れての留学生活だったという、スーパーマンとも思えるようなことをどのように成し遂げたのかという彼女のストーリーが書かれていました。

この本を読んで、私自身わかっていはいたけど今までできていなかったことが改めて明確になり、新年早々とてもやる気が高まりました。ネットで見つけたこちらのサイトには彼女自身の執筆で、2人の小さいお子さんの子育てとフルタイムの仕事に追われながらも妊娠し、それをチャンスととらえて留学を思い切って決意した経緯が書かれていますので、興味をもたれた方は是非ご一読ください。

去年はプライベートはとても充実していた年でしたが、仕事面ではもう少しやれたかな・・・という気持ちを残したので、今年はその点もふまえて方向修正をしながら生活していきたいと思います。本年もよろしくお願いいたします!

NY市で継続中の10代の妊娠を予防するキャンペーンに非難が集中

Empathy is the ability to put ourselves in someone else’s place in order to understand what they are feeling. When we are empathetic, we can listen and respond authentically to others, and we have the skills to consider how our actions will impact others. 共感するとは、自分を誰かの身におきかえてみて、その人が感じていることを理解すること。共感しようと心を開いているとき、私たちは相手の気持ちを聞いて、本来の自分らしく反応することができるし、自分の行動が周囲の人にどう影響するかを考えることもできる。

これはDr.Brene Brownが最近のブログ記事“Public Shaming is a Better Example of “If it feels good – do it” than Teen Pregnancy”で書いていた言葉です。この記事のトピックは最近ニューヨーク市が開始した10代の妊娠を予防することを目的としたキャンペーン。涙目をした幼児の写真に「お母さんが僕を10代で産んだから、僕が高校を卒業できない確率は2倍高い」など、類似のメッセージがついたポスターがあちこちに貼られているそうです。このキャンペーンには各方面から「10代の妊娠を防ぐ具体的な方策や、彼らに対するサポートを提示していないばかりか、10代で親になるグループや、その子どもたちに対する偏見をあおるだけだ」という趣旨で多くの批判がよせられています。

Dr.Brene Brownはブログ記事で「”shame”(恥)を使ったこのようなキャンペーンは、私たちの共感する力を奪ってしまう」そして「“shame”は、私たちは変わることができると信じる心を内側から蝕んでいく」と強調しています。

親として子どもにきちんとした躾をしたいと思うとき、子どもに”shame”という感情を味わわせることで、行動を改善させようとする場合があります。もちろん私も例外ではありません。兄弟げんかの仲裁の場面や、子どものとった適切でない言動に対して謝りの言葉を強要するような状況で、親が無意識のうちに、子どもにこの”shame”という感情を感じさせていることもあるでしょう。

でも、”shame”を使って行動の変化を促す試みが、その人に、長続きするような根本的な行動の変化をもたらすという証拠はない、とDr.Brownは語っています。それは、”shame”という感情に満ちてしまっている人は、だんだんと自分自身の力を信じられなくなるからなのです。また”shame”という感情は多くの場合、暴力や、いろいろなものへの中毒、無気力、そして恐れの原因になっています。10代の妊娠や、極端な肥満や、アルコールや薬物への中毒・・・・これらのことで既に苦しんでいる人たちに向かって、「あなたはこうなるべきではなかった」とさらに攻め立てるようなことは、彼らが持っている”shame”という感情になんの救いももたらさないと彼女は言っています。彼らにもっと必要なのはEmpathy、つまり彼らの身になってみて、心から理解しようとすること。子育てにも同じことが言えるのではないでしょうか。

サンディエゴで難民支援

先日、ジャパニーズ・ファミリー・サポートセンター(JFSC)のワークショップに初めて参加しました。テーマは「世界からの難民について知ろう!」。私の住むサンディエゴは全米でも受け入れている難民の数が最も多い都市であることを初めて知りました。スピーカーのうちのお一人、なおさんという方は、サンディエゴに移住したのちに最初はボランティアでビルマのカレン族という少数民族の支援を開始。そのうちにサポートする人の数が増えてきて、ついにはNPOを立ち上げてしまったというパワフルな女性です。

このワークショップには、実際に何年もビルマの難民キャンプで生活していたところ、UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)のプログラムでアメリカに難民として移住するチャンスを得て、お母さんと二人でアメリカにやってきたという人が参加していました。まだアメリカに来て一年足らずなのに、立派に英語でプレゼンテーションをしていたり、堂々と質問に答えたりする様子からは、帰るところのない状況でアメリカに移民としてやってきた人特有のたくましさが感じられました。

なおさんの立ち上げたNPO、Karen Organization of San Diegoは、連邦政府の大きな助成金を勝ち取り、現在では専用のオフィスを構えて運営が行われています。カレン族の人々の支援には、日常のこまごまとした相談事から、働く先を見つけることまで、実にバラエティに富んだ業務が含まれているそうです。例えば、まだアメリカに来たばかりで英語がままならないとき、住んでいる家のドアから差し込まれたチラシなどが重要なものかどうかも判断がつきにくいときなどに、受け取った人々がそのチラシをもってオフィスに来るのだそうです。また、難民としてやってきた人々が、最終的な目標である経済的な自立を果たすことを支援するため、常日ごろ、カレン族の人々を雇ってくれそうな雇用主と関係を作り、何度も足を運んでは、一人でも多くの人を雇ってもらえるようにかけあったりというのも重要な職務だとなおさんは言っていました。

難民支援について学べたことはもちろん、なおさんのような方がサンディエゴで頑張っていることを知ることができて、とても有意義な時間となりました。今後、是非ポッドキャスト番組にもご出演いただけるとの快諾もいただきました。さらに踏み込んだお話を聴けることを、今から楽しみにしています。

リメンバランス・コースがサンディエゴで開催されます

以前からこのブログで何度か書いてきたリメンバランス・コース。今年はまず3月1日から3日の週末にかけて、サンディエゴで行われます。

リメンバランス・コースとは、「私たちの世界観は幼少期の体験をもとに作られる」というコンセプトをもとに、その世界観が今現在の生活でチャレンジとなっていることにどのように関係しているか、ということを探っていく体験をするものです。私も2008年6月に参加者として出席して以来、このコースにたびたびアシスタントとして参加して来ました。

参加者の年齢層は10代後半から70代にいたるまで、実に様々です。実は私の夫の母も2年ほど前、70歳のときに参加しました。このコースにご夫婦で出席された友人夫妻のインタビュービデオを作ったことがありますが、この機会にここに再掲載いたします。

ここ2年ほどは、妊娠・出産などでこのコースのアシスタントをする機会がなかったのですが、今回久しぶりに私もアシスタントとして参加しようかな・・・と考えています。オフィシャルサイトはこちらになりますが、コースの日時、場所、そしてコース自体の内容など、詳細に関してご質問がある方は、ぜひ私までご連絡下さい。

カウチ・サーフィンで旅をしよう

英語で“Couch Surfing”という言葉があります。ウィキペディアの日本語版にもこちらの説明があるように、宿泊先を探している旅人と、場所を提供してもよいと思う人を結びつけるコミュニティのことです。この仕組みを利用して旅をする人のことをCouch Surferとも言ったりします。2年前から参加しているWorld Domination Summit(世界征服サミット)には、主催者のクリスも顔負けの旅人たちが多く集まりました。初年度に日本からサミットに参加したこの友人もこのカウチ・サーフィンで宿を確保していたようです。

実は今、我が家にもカウチ・サーファーが滞在中です。去年の世界征服サミットをきっかけに、サンディエゴから世界征服サミットに参加した人たちのネットワークができ、Facebook上で交流したり、たまにミートアップで集まったりしていました。先週木曜日にそのFacebookのコミュニティのページに「またサンディエゴに帰ってきます。もし数日間滞在できる場所があれば是非教えて下さい」との書き込みがあり、投稿者はサミットの場を含めて実際に何回か会ったことのある信頼できる友人の友達だったので、夫と相談の上「もしよかったらうちにどうぞ」とFacebook上で返事。数時間後に「ぜひよろしく」という返事があり、詳細を連絡しました。

土曜日の深夜にやってきた彼はここ2年くらいアメリカ中を旅して回り、定住所を持たないノマド生活をしていることが判明しました。サンディエゴに来る前は6週間ほどハワイにいたとのこと。旅行をしながらも健康的な生活を送るというゴールを追及する彼のウェブサイト、Nonstop Awesomenessこちらです。事前に聞いていたとおり、さっそく翌日には得意の料理の腕をふるってくれました。一言でいうと「好青年」で、滞在場所を提供している私たちにことあるごとに感謝の意を示してくれるだけでなく、ハワイから来る直前に購入したというウクレレを弾いてくれたり、ノマド生活の長短について率直なところを話してくれたり、今年の世界征服サミットに向けての抱負を語り合ったり、私たちにとっても日常生活とはちょっと違う刺激をもらう数日間になりました。おそらく留学生をホームステイさせるというのも似たような感覚なのでしょう。数日後にはまた次の土地(今回はロサンゼルス)に向かう予定だという彼は、食に関する番組を作成するというプロジェクトを行っているそうです。

カウチ・サーフィンをする際には、ネットでのどんな出会いにもあてはまる注意はやはり必要でしょう。初心者はまず(今回の私たちのように)周囲の知人・友人の紹介だったり、共通の趣味やなんらかのつながりがある人からホストしたり、してもらったりする方法もあります。またソーシャル・メディアや、本人が実名で行っているブログなどのウェブ・プレゼンスを確認して、信頼できそうかどうかを判断することもできるでしょう。友人同士やカップルでカウチ・サーフィンをする人々もいるそうです。もし自分が「カウチ・サーフィンで宿を確保したいな」と思っている場合は「どうしたら信頼してもらえるのか?(自分だったらどんな人なら信頼できるか?)」という点から考えてみると、何をすべきかおのずと見えてくるのではないでしょうか。

世界征服サミット(World Domination Summit)チケット入手の最後のチャンス!

2011年から始まった世界征服サミット(World Domination Summit)は今年で3回目を迎えます。今年も開催都市はオレゴン州ポートランド。参加者が去年の2倍の2000人になるのにあわせて、会場もさらに広いところになります。過去2年とも素晴らしいお天気に恵まれ、美しいポートランドを存分に味わいながらの参加になりました。金曜の夜のオープニング・パーティ、土曜・日曜の基調講演やワークショップ、そして締めくくりのパーティに至るまで、盛りだくさんという言葉では言い表せないほど充実した2日半のこのイベント。今年は7月5日から7日の週末に行われます。

既に半数のチケットは9月までの時点で販売が終了。残りの1000枚はアメリカ西海岸時間で1月16日(水)午前9時から(日本時間の17日(木)午前2時から)販売が開始されます。この機会にぜひチケットを入手したい!と思われる方はこちらのページを確認の上、準備をして臨まれることをおすすめします。残りのチケットが1000枚のところ、現在(イベント参加に興味を示している人が登録している)ウェイティング・リストには8000以上もの名前があるとのこと。1000枚がネット上でさばかれるには数時間はかかるかもしれませんが、いずれにしても一日のうちにはなくなることが予想されます。どうしようかな?と思われている方、是非「世界征服サミット ポートランド」で検索して事前のリサーチをしてみてください。今年はまた格別な経験になりそうで、今からワクワクしています。

家族を作るのは血ではなく愛

“Blood doesn’t make a family. Love does.” これは、先日見ていたアメリカのテレビドラマで、主人公の一人が言った台詞です。赤ちゃんの頃、養子として自分を迎えてくれた両親に育てられたという設定のこの男性は、自分の息子に「自分を生んだ人のことを知りたくないの?」と聞かれました。「それは興味がないわけではないけど・・」と前置きした上で、「自分を育ててくれた両親は、自分が彼らにとってこの世で一番大切な存在だと思わせてくれた。自分にとっての本当の両親は彼らだと思っている」。そして続けて「家族を作るのは血のつながりではなく愛情だよ」

アメリカでは養子として育てられる子どもたちもたくさんいます。また、近年のように離婚・再婚が一般的になると、「家族」といっても血のつながりのある関係ばかりではありません。日本でも「生みの親より育ての親」という言葉があるように、直接の血のつながりがないとしても、深い愛情が基盤となっている親子もいるでしょう。

また、アメリカに10年ほど暮らしてきて、子どもたちが小さい頃からベビーシッターをしてくれたある女性は、私たち家族のことを“You are my family” と言ってくれますし、私も、大学院留学時代に一緒に暮らしたアメリカ人の友達とは、住む場所は離れているものの家族のような存在だと感じています。お互いに人間としての不完全さを受け入れたもの同士、それでも一緒にいると楽しい時間が過ごせるし、相手やその家族に何かあればできる限りのことはしたいと思える相手。そもそも結婚とは何の血のつながりもない他人と家族になる選択をすることです。自分を育ててくれた家族から、今度は自分で選んで作っていく家族。また、結婚してもしなくても、あるいは子どもがいてもいなくても、親でも配偶者でも自分の子どもでもない、第3の家族のような人間関係を自分のまわりに作っていくことが、真の意味での豊かな人生を送る秘訣ではないかな・・・と感じます。

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