Tag Archives: コミュニティ

赤ちゃんが車の中に・・

毎朝次男を学校に送っていくとき、普段は車を停めて、三男を乗せたバギーを押しながら学校まで一緒に歩いていくのですが、今日は夫が、私が普段運転している車を仕事の帰りに買い物用に使いたいということで、夫の車を私が使うことになりました。この車は2ドアしかないため、三男を乗せた赤ちゃん用カーシートを出し入れするのがちょっとやっかいです。たまに夫が次男を学校に送っていくときは、ドロップオフ・ゾーンで次男をおろして、残りは一人で歩かせるということだったので、次男に「今日はドロップオフしていい?」ということで了解を取り、学校の敷地に上っていく階段のすぐ横に車を停めました。

車の鍵をイグニッションに入れたまま車をおり、次男を車から降ろして助手席側にまわり、荷物をだして次男に渡しながら「じゃあね」と言っていたとき、次男が助手席のドアをばたん!と閉めました。気がついたら両側のドアはロックされた状態で閉まり、鍵は車の中。そして三男も・・・「しまった!」と思ったときには既に遅く、頭の中はパニックになりました。

普段こんな時はまずロードサービスに電話をするのですが、電話番号が入っている電話は車の中。夫の仕事先の番号も覚えていません。ちょうどそのとき、次男のクラスメートのお父さん(実はおじいちゃんだったことが後で判明)が通りかかり、事情を話して、学校のオフィスに行ってネットで番号を調べる間、車をみはっていてくれるように頼みました。とりあえず次男をクラスに送り届け、オフィスに走って到着。焦りながら事務所のスタッフに事情を説明すると、すぐにインターネットで調べ始めてくれたのですが、ちょうどそのとき書類を提出しにきていたあるお父さんが「赤ちゃんが車にいるんだって?」とさっと携帯電話を取り出しました。オフィスの人が調べてくれた電話番号を手にそのお父さんと車に向かいながらロードサービスに電話をかけようとしたところ、私の車と、中の赤ちゃんを見てそのお父さんが言うには「自分は消防士なんだ。消防署の仲間に自分が電話をすればすぐ来るし、ロードサービスより早いよ」。そしてさっさと電話をかけはじめました。

消防士のお父さんによると、車のキーロックで中の人が危険かもしれないという状況では消防車がよく出動しているのだそうです。また「消防士にとっても、車のドアをあけるいい訓練になる」と温かいお言葉。実は、鍵も電話も車の中だとわかったときに911番に電話しようか・・・と一瞬思ったのですが、いや車は日陰にとまっているし、ロードサービスもわりと素早いし・・とその考えを打ち消していたのでした。待っている間におしゃべりしていたら、パトカーが通りかかり「大丈夫ですか」と声をかけてきたり、他にも知り合いのお母さんが「どうしたの?」と声をかけてくれたり、この学校のコミュニティの結束の強さをしみじみと感じました。

待つこと5分で消防車が現れ、4人がかりで両側から作業開始。すぐにドアが開き、私はほっとして涙ぐみながらみんなにお礼と握手。手早く道具を片付けて消防士たちはさっそうと去っていきました。英語では警察官や消防士、救急隊員のことを“first responder”と言うのですが、今日は本当に彼らが頼もしく見えました。車を別のところに駐車して三男を連れてに学校のオフィスに寄ってお礼を言い、消防士のお父さんの名前と、連絡する手段を教えてもらいました。そのあとちょうど外での授業をしていた次男に無事に解決したことを伝えたら、「消防車が来たの!」と、その場にいなかったことが残念そうな口ぶりでした。

長いアメリカ生活の間では、近所の人との駐車場でのトラブルで警察を呼んだことはありましたが、消防署にヘルプを求める電話をしたことはなかった(こちらでは同じ911という番号ですが)ので、この状況で呼んでもいいのか決心がつかなかったのですが、たまたま通りかかったお父さんが消防士だったという幸運。これからもキーロックにはくれぐれも気をつけようという反省とともに、いざというときは恐れずに911番号にかけるべし、ということも学んだ出来事でした。