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Erinaさんへの手紙:コミットメント(Commitment)

サンディエゴ在住のお友達、Erinaさんとの文通シリーズ第2回。「コミットメント(Commitment)」というテーマで、Erinaさんからこちらのお手紙をいただきました。「コミットメント」は日本ではカタカナ語としてまだあまり使われない言葉かもしれませんが、私にとってはとても重要な意味を持っています。お返事を書いて見ます。

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photo-1420393000485-4697383da9ecErinaさん、こんにちは。

世間はゴールデンウィーク真っ最中です。考えてみれば親になって初めて迎えるこの期間。親にとっては「休み」という感じでもないですが(笑)

そうそう、テニスは夫が高校時代にやっていたんです。けっこう強かったそうなのですが、長らくずっとお休みしていて…でも、子どもたちが生まれて数年後にあるきっかけで再開。とてもいいテニス仲間に恵まれて、彼らが毎年行うトーナメントでも2回も優勝していました。日本でもまたテニス仲間ができるといいのですが。

さて、今回のキーワードの「コミットメント(Commitment)」。Erinaさんの書かれていた例、とても納得がいきました。そう、コミットメントって何もrelationshipだけに使う言葉ではないのですよね。

うまい日本語がないかな~と探していて思いついたのが、漫画「スラムダンク」の一コマです(兄が大好きだったので家にコミックがあって私もはまりました)。

名言が多いこの漫画ですが、湘北高校のバスケチームを率いる安西先生が、神奈川県インターハイの予選決勝リーグで対戦する相手を前に言った言葉は、「もはや何が起きようと揺らぐことのない、断固たる決意が必要なんだ!」でした。

d0080549_10353760漫画の主人公である桜木花道も、試合が始まって戦っているうちにこの「ダンコたる決意」なるものを理解していくのですが、これこそ「コミットメント」だと思います。「約束」とか「目標」よりも強い、万難を排して、あるいは石にかじりついてでも踏みとどまって頑張りぬくという…「決意」ですよね。

Erinaさんがアメリカに留学して「良い成績をとる」ことを決意した時、他のことをいっとき後回しにしてでもその目標を達成することにコミットしたのです。

結婚という道を選ぶパートナーには、この点についての共通理解をぜひ求めたいところだなぁと思います。その共通理解がない相手とは、喧嘩のたびに「離婚だ!」と言い合うことにもなりかねません。しかも、この場合に持ち出される「離婚」という言葉は往々にして、相手を脅し、動揺させ、コントロールする目的で発せられるもの。発したその言葉を全うしようと言う意思…それこそ、その言葉に対するコミットメントもきっとないことが多いでしょう。

以前にもこちらに書いていますが、私は離婚が必ずしも悪いとは思っていません。相手が暴力的だったり、自分が失われてしまうような思いをしながら続けるべきものではないでしょう。でも、そうではなくただなんとなく心が離れてしまった…とか、もうトキメキがないから愛していないのかも、ということで関係をあきらめてしまおうか、という場合には、そこでもう一度「それでいいのか?」と思いとどまってほしいです。

この「コミットメント」を説明するとき、私がいつも引き合いに出す映画があります。”Fireproof”というタイトルで、結婚何年目かで気持ちがすれ違ってしまった夫婦の危機と再生を描いたものです。脚本や演技がとてもベタなところがあったり、随所にキリスト教の言及があって抵抗がある人もいるかもしれませんが、夫婦とは?結婚とは?ということを考える上ではとてもいい教材だと思います。

映画のテーマソング”Love is not a fight”の冒頭にもこんな箇所があります。

Love is not a place to come and go as we please
It’s a house we enter in, then commit to never leave

(「愛」とは好きなときに出たり入ったりするのではなく、一度入ったらもう二度と出て行かないと決意する「家」なのだ…)

最終的に結婚生活がうまくいったのかどうか?は結果でしかありませんが、少なくとも、そのくらいの覚悟をもって始めるべきものなのかな、と感じます。

最後にもうひとつ。

アメリカ人も大好きな自己啓発の言葉のひとつに

If you are interested, you’ll do what’s convenient.
If you are committed, you’ll do what it takes.

というものがあります。

自分がやりたいことや目標とすることに対して、ただ単に「興味がある」程度だったら、目標達成のために都合のよいことは行うだろう。でもコミットしたことに対してなら、どんなことでもやるはずだ、という意味合いです。“Do what it takes” は「どんなことでも(行う)」と言う英語的な表現ですね。

Are you interested?

Or are you committed?

断固たる決意をもって成し遂げよう!と思える目標をもつことは、時に人生をハードなものにするかもしれませんが、その経験はまた人生を豊かにしてくれるのではないかと思います。

次回のキーワードは、コミットメントとも通じる「パッション」です。Erinaさん、楽しみにしています!

Erinaさんへの手紙:パートナーシップ

私がサンディエゴで知り合った日本人の女性は、みんなそれぞれに生き生きとした人生をおくっています。ご縁をいただいてお友達になったそんな彼女たちと、仕事や子育ての合間を縫って交流を深めてきました。

そんな女性のおひとりがErinaさん。Erinaさんは日本で高校を卒業した後、留学生として13年前に渡米しました。アメリカで大学を卒業し、アメリカ人の旦那さんと結婚。二人のお子さんの母親として、日本人妻として、働く女性として、アメリカに住む日本人女性をブログなどを通じて応援しています。また、日本人・日系人コミュニティにとって役に立つ情報を発信していくJapanese Family Support Centerの主宰者のお一人でもあります。

確かErinaさんと最初に会話をしたのは私がハワイに住んでいたときのスカイプ越しでした。その後、サンディエゴに帰って数ヵ月後に、以前からやりたいと思っていたポッドキャスト番組の作成について背中を押してくれたばかりか、第一回目のゲストにもなってくれました。

そんなErinaさんと、日本に発つ前に一緒にご飯を食べたとき、「結婚」をテーマに話し合うという素敵な提案をしていただきました。Erinaさんは新しく始められた In Nadeshiko Wayというブログで、そして私はこのブログを使って、文通という形で意見交換をしていきます。

初回のキーワードはパートナーシップErinaさんからのお手紙はこちらでお読みいただけます。
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015Erinaさん、こんにちは。

サンディエゴを離れてもう半年が経ってしまったなんて、何だか信じられない気持ちです。お蔭様で子どもたちもそれぞれ小学校と保育園になじんで、お友達もできました。横浜に引っ越したのは寒さも厳しくなる12月でしたが、最初の冬を乗り越え、過ごしやすくなってきた日本で楽しく生活しています。

サンディエゴが懐かしくなることは多々あります。何と言っても12年も住んだのですから、もうひとつの故郷ですよね。そんな場所を持つことができるのもとても贅沢なことで嬉しいのだけど、青い海と空の美しさや、子どもたちが自転車でぐるぐる走り回れる安全な場所が懐かしいなぁ。リバティ・ステーションは家から最も近い大きな公園で、アクティブな男の子たちのいる我が家にとっては庭みたいな存在だったので、Facebookで広大な芝生のエリアの写真を見るたびに帰りたくなったり(笑)でも日本にもずっといるわけではないので、ここでの生活をしっかり味わおう!と決めています。

さて、パートナーシップについて。

私と夫は2002年の5月に結婚したので、今年の5月で13周年を迎えます。最初の子どもが生まれる2006年までは二人だけの結婚生活でした。

もちろん、普通のカップルが通るような山や谷もたくさんありました。特に、私の場合は日本で彼と出会い、それまでのキャリアを一旦リセットする覚悟でアメリカに移住してきたこともあり、最初の数年間は、新しい生活に慣れるのと同時に「私は何者なのか」というアイデンティティ・クライシスも経験しました。

それまでにもアメリカには大学院留学で2年近く住んだことはあったのですが、結婚という形で、夫の妻であるということ以外に誰も私を知る人のいないところに行き、ゼロから人間関係やキャリアを構築していくというのはけっこうしんどい作業でもありました。

思うような仕事が見つからず、フラストレーションがたまって夫にやつあたりすることもあったし、経済的にもほぼ全面的に夫に頼っている状態。その頃の私はまだ「パートナーシップ」という言葉について意識するようなこともなかったでしょう。

夫は最初から “Happy Wife, Happy Life”という考え方を持っている人でした。妻がハッピーなら幸せな生活ができるということで、韻を踏んでいてキャッチーなフレーズですよね。初めて彼がそう言ったのを聞いたときにはなんて気の利いたことを言うのだろうとちょっとした感動を覚えたものです(笑)当然、逆も真なりなんですが、事あるごとに言ってくれるのは嬉しかったですね。

その彼の考え方のおかげもあって、最初の山であった結婚・移住後の数年間をなんとか乗り切り、満足のいく仕事が見つかって働き始めたのと同時に長男を授かりました。

国際結婚をして、自分の国を離れて相手の国に行く人にはそれなりの覚悟が必要ということは、一般的に受け入れられやすい考え方ではないかと思います。

でも、実は「来てもらう」立場のほうにも、同じくらいか、それ以上の覚悟がいるのかな?ということを最近考えます。私たちの場合は、最初の12年は夫の国で暮らしました。新天地で親しい家族や友人たちのコミュニティから離れ、キャリアを模索し、葛藤する私を見守りサポートする立場だった夫にも、何もストレスや苦労がなかったはずはありません。

そして今度は私の国で暮らすという経験をしています。夫にとっては2度目の日本滞在なので、日本生活に対するカルチャーショックは前回よりは少ないですし、幸いにも古巣での仕事を見つけて来ることができたので、私が経験したようなアイデンティティ・クライシスはないような感じがします。

でもサンディエゴでは車で10分だった通勤は、電車で片道1時間近く。もちろん家族やサンディエゴで親しくしていたテニス仲間からも遠く離れ、小学生の子どもたちに既に追い抜かされてしまった日本語力で、生活に不自由を感じている部分もあります。運転するにも道は狭いし、冬は寒くて夏は蒸し暑い…など、探せば小さな不満はいろいろあるでしょう。

今、逆の立場になってみて、毎朝早く家を出て、仕事を追えて帰宅する夫に対して感じるのはやはり感謝の気持ちです。そして、私が結婚当初アメリカに移住し、焦りを感じて過ごした最初の数年の間も、夫は「自分の国に来てくれた」ことに対して感謝の気持ちをもっていたから、私からの八つ当たりもおおらかに受け止めてくれ、サポートしてくれていたのかな、と想像したりしています。

夫婦のパートナーシップというのは、「一緒に人生をシェアしていこうと決めたのだから、何があっても二人で figure out(=解決策をひねり出す)して頑張っていこう」という意思のことだと思うのです。

お互いにやりたいことが違うことだってあるのはもちろん、そもそも赤の他人なのですから「価値観が全て一緒」なんてあり得ないと思います。日本人同士の結婚だってそれは同じですよね。

その違いをどうするのか? 違いすぎるといって共同生活をあきらめるのか? それともなんとか折り合いをつけて、どちらも reasonableにハッピーになれるような解決策を見つけようとするのか?

私たちの間でも、「自分の幸せは自分で作り出す」というのを基本にしつつも、相手の幸せにも興味をもち、夫婦というチーム全体で生活の満足度が上がるように努力しよう、という点で意見が一致しているので、それぞれ大切にしていることが違っても尊重しあうように心がけています。

「パートナーシップってこういうものだよね」という点で意見が一致している二人だったら、Erinaさんの言われたように「話し合いをやめる」という選択肢はもともとないものなのかもしれません。

なんだか長くなってしまったので、ひとまず筆を置きます。次回のキーワードは「コミットメント」でいきましょう!楽しみしていますね。

「恋は奇跡。愛は意思。」

lumine「東大なんて行ったら結婚できなくなるかもしれないよ」

これは私が大学を決める時にある人から言われた言葉です。その時は「別にそうなったらそうなったでいいけど…」なんて思うほど結婚願望がなかった私が(当時18歳だったので無理もないですが)、結婚に悩む人をサポートするお仕事をすることになるとは、人生とはわからないものです。

私は社会人何年目かの時に、スウィングダンスというカップルダンスに夢中になりました。そしてそのダンスを通じて出会った人と交際をはじめ、その彼と結婚することにしました。彼は横須賀基地で海軍に勤務していたアメリカ人。私は国連の仕事でドイツから日本の事務所に駐在になって日本で働いていたときのことでした。

当初私の両親は反対しましたし、彼の家族にも反対されました。国連時代の友達にも「アメリカの軍人と結婚して仕事を辞めるなんてEtsukoは大丈夫なのか」と心配されました。でも私の中では答えは明確でした。これから毎日の生活をともにし、一緒にご飯を食べて眠る相手を選ぶという極めて基本的で個人的かつ重要なことを、なぜ自分の意思で決めてはいけないのか?という思いでいっぱいでしたし、時間が経てば、また彼を知ればわかってくれるという確信もありました。そのために周囲の反対を「押し切って」という意識すらなかったように思います。私が大学時代からの夢だった国連の仕事をしていたことから、辞めるのはもったいないということを言って下さる人もいました。でも私は私なりのコンパスに従って彼を選びました。仕事を辞めてもアメリカでまた何か見つかるだろう、と思っていた部分もありました。

私たちは普通の結婚式はしませんでした。ふたりの結婚式に対する考え方が大きく違っていたことが原因で喧嘩になり、横須賀基地で日本人のカウンセラーからカウンセリングを受けていろいろ話しあったのです。その結果、ふたりだけで出会った阿佐ヶ谷の路上で一曲踊ったあとに誓いの言葉を交換することにしました。ドレスも指輪も何もない、ジミ婚とすらよべないものでしたが、ふたりの出会いを再現して初心に戻れるようなセレモニーでした。その後、祝ってくれる友達とともに六本木のスウィングダンスが踊れるバーで結婚記念パーティを行いました。

そして結婚しアメリカに行き、私は思うような仕事が見つからずにアイデンティティ・クライシスに陥ったり、流産を経験したりして3年が過ぎました。その後ようやくキャリア面でも待遇面でも満足のいく仕事が見つかり働き始めた途端に妊娠し、長男を出産しました。今では3人の男の子を一緒に育てています。結婚当初の予定を大幅に過ぎましたが、去年の秋に12年のサンディエゴ生活をひとまず追えて、一家で日本に移住しました。

私が結婚した彼は本当に素晴らしい人です。過去13年の結婚生活の間には山も谷もありましたし、振り返ってみると「あれは危機だったんだな」と思える暗い時代もありました。でも今、朝起きて隣にいる彼が視界に入るとき、この人と出会うことができたのは人生最大の幸運だったと(大げさではなく)毎日のように感じています。

国際結婚の離婚率は7割近くという厚生労働省の統計がありますが、周囲で見聞きする感じではもっと高いような感覚もあります。この点については、どんなカップルが身近にいるかによって、その感覚的な数字は上下するでしょう。いずれにしても日本人同士の結婚よりは難しい印象のある国際結婚。そもそも相手の国籍に関わらず、結婚すること自体が離婚するリスクをともなう行為なのに、結婚生活がうまくいくように結婚前あるいは結婚してからいろいろ対策を練るという人(カップル)はどのくらいいるのでしょうか。よくどちらかの浮気が離婚の理由に挙がることがありますが、浮気はもっと根が深い問題の表れ方のひとつに過ぎないという考え方もあります。本当は実際に浮気が起こるもっとずっと前からその問題の種はまかれているのではないかと思います。多くの場合は誰も気がつかないうちに。

こう書いたからといって、私は離婚を「絶対に避けるべきもの」と考えているわけではありません。人にはそれぞれたどるべき道があります。その道を進むことで初めてわかることや出会う人がいるでしょうし、何より本人が納得して選び取った道である以上、周りがとやかく言う筋ではないように思います。誰と結婚するかが(少なくとも日本においては)自由であるように、離婚することも私たちに与えられた自由な選択肢のひとつです。離婚することでよりよい新しい人生に踏み出せる人も大勢います。

ただ、私が国際結婚コンサルタントになり、著書「国際結婚一年生」を出版してから、「事前にこのことを知っていたら結婚しなかったかもしれない」という言葉を耳にすることが多々あり、そうであれば、その部分について私に何かできるかもしれない、という思いがあるのです。あるいは、「この人と結婚してもいいのかどうか」「結婚生活をこのまま続けてもいいのかどうか」「こんな些細なことで喧嘩になるのは二人の相性が合わないからなのか」「こんなことを言われた・されたが、我慢しなければいけないのだろうか」というご相談を受けるたび、結婚の成否は単に「離婚しないこと」ではなく、双方がもっと満足のいく結婚生活を営むことであり、そのために個人・あるいはカップルでできることについてもっと知ってもらいたいという気持ちがあるのです。

3月14日(土)に恵比寿で行う国際結婚のセミナーでは、これから結婚相手を選ぶことができる幸運な方に、結婚するべき相手のタイプをどのように見分けるかをお伝えします。また、満足のいく結婚生活を長期間にわたって続けられるよう、結婚相手の候補者を観察するにあたって外せないポイントについてもお話しします。出会いの場がないと悩む方には、セミナー終了後からすぐに実行に移せるアクションプランを持ち帰っていただきます。このセミナーはメイク&ファッションコンサルタントのノナカキョウコさんとのコラボ企画でもあり、外見の魅力を最大限に表現できるように個別のアドバイスもいただけます。またセミナーに参加される皆さんには、どんなことでもご質問いただき、真摯にお答えしていこうと思っています。

記事タイトルの「恋は奇跡。愛は意思。」とは現在のルミネの広告コピーですが、確かに私が彼と出会ったのは年末ジャンボ宝くじに当選するくらい貴重なことでした。その一方で、結婚13年目の今でも夫婦ともに結婚生活に満足しているのは「完璧な人と結婚したから」では(お互いに)決してなく、ふたりともが意思を持ってお互いを人生のパートナーとして選び続けているからです。満足のいく結婚生活を送るために必要なことは「我慢」や「妥協」ばかりではなく、ふたりが一緒に描くビジョンであり、結婚というリレーションシップに対する投資です。自分の持てる全てをかけて一生もののパートナーシップを築こうと思える相手と出会い、結婚式でなく結婚生活の準備をしたい方、3月14日(土)午後に恵比寿でお会いしましょう。セミナーの詳細・お申し込みはこちらをご覧下さい。皆様にお会いできるのを楽しみにしています。