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Erinaさんへの手紙:コミュニケーション(Communication)

Erinaさんとの文通シリーズ第5回目。テーマはコミュニケーション(communication)です。Erinaさんはこちらのお手紙で、夫婦の間のコミュニケーションについて書いてくれました。早速お返事を書いてみます。

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えりなさん、

コミュニケーションをテーマにしたお手紙を読みました。

photo-1415200358018-bb07fced3660えりなさんのお母様の「あなたたち夫婦は、本当になんでもよく話し合うのね。」というコメント、私も同じように言われたことがあり、とても共感できました。私たち夫婦も会話の量はかなり多いほうかな?と感じています。コンピュータのエンジニアでもある夫は決してぺらぺらと口が立つわけではないのですが、気に入った話題や自分にこだわりがある事項になるとすごく情熱的に会話にも身が入るのです。これは皆さんそうなのかもしれませんが、お互いの意見が違う物事に対してはいっそうそうなりますね(笑)ちょっとした喧嘩から端を発した議論が深遠な話題にまで発展して、ずっとしゃべっていたら深夜になってしまったということもたまにあります。

私はこの4月から6月、国際結婚を目指して婚活をしている日本人女性を対象にしたグループ・コーチング・プログラムを行ったのですが、その中でもコミュニケーションは非常に大切なキーワードでした。プログラムの鍵となるトピックのひとつは「自分を知る」こと。就職活動でも婚活でもそうですが、自分についてどれだけ知っているか?というのは、ことの成否を分ける大きな要因だと思うのです。

そして、自分を知るために必要なのはやっぱり自分との対話。相手のいる対話と違って、自分との対話はともすると無意識的になりがちなのですが、恋愛・結婚ということであてはめてみると、例えば

・相手が自分に対してとった行動の中で嬉しかったこと・悲しかったこと

・自分の恋愛のパターン

・自分の気分の浮き沈み

などを記録し、分析することによって、自分のことが見えてくると思います。

また、異性に対する思い込みや、結婚観など、恋愛を成功させるためにわかっておきたいことも、自分に対する問いかけをして考えることから始まります。

自分を知るのは時にめんどくさかったり、しんどかったりする作業であることも確かです。誰でも「こうありたい」という理想の自分がいるのに対して、現実の自分は(自分の目から見た)欠点もあればいけてない部分もありますし、また思い出すのがつらい過去の出来事もあるでしょう。

でも自分とのコミュニケーションをせずに無意識に日々を過ごしていると、あっという間に時間がたってしまって、達成したいと漠然と思っていたことに近づいていないということにもなってしまいます。私ももちろん、ダラダラと時間を過ごしてしまって気がついたらあまり前に進んでいなかったという経験があります!

ただ、過去の成功体験や、物事がスムーズにいったときのことを考えてみると、自分のことが客観的に見えていて、やりたいことがはっきりしていたという共通点があるように思うのです。また思うように物事が運ばなかったときも、それはそれで学びの機会になります。そう考えると、人生で出会う出来事のすべてが自分との対話のチャンスになり得るのですよね。

例えば、次回だんなさんや身近な人と喧嘩になったとき、「なぜそうなったのか?」「自分はどうしたかったのか?」ということを問いかけてみることで、自分についてより深く理解できるきっかけになるかもしれません。

以前、「私、女性誌のキラキラ感を笑う気になれません、という話」という記事で、こんなことが書いてありました。

「夜寝る前に、3つのことを紙に書き出してみる。1つ目はその日の反省。2つ目はその日にあったうれしかったこと。3つ目は翌日の目標。この順番で書くのがポイントらしい。」自律神経を整える簡単な方法として紹介されていましたが、これはシンプルな手順ながら、自分と対話するとてもよい方法なのではないかな?と思います。

自分との対話を通じて、自分がハッピーだと感じるために何ができるのか?と常に考えていると、自分のセンサーの感度もあがってくるような気がします。意識的に毎日を過ごすことはどんな状況でもできることなので、是非トライしてみてください。

えりなさん、次回のキーワードはTrustでいかがでしょうか? またお手紙お待ちしています!

Erinaさんへの手紙:コミットメント(Commitment)

サンディエゴ在住のお友達、Erinaさんとの文通シリーズ第2回。「コミットメント(Commitment)」というテーマで、Erinaさんからこちらのお手紙をいただきました。「コミットメント」は日本ではカタカナ語としてまだあまり使われない言葉かもしれませんが、私にとってはとても重要な意味を持っています。お返事を書いて見ます。

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photo-1420393000485-4697383da9ecErinaさん、こんにちは。

世間はゴールデンウィーク真っ最中です。考えてみれば親になって初めて迎えるこの期間。親にとっては「休み」という感じでもないですが(笑)

そうそう、テニスは夫が高校時代にやっていたんです。けっこう強かったそうなのですが、長らくずっとお休みしていて…でも、子どもたちが生まれて数年後にあるきっかけで再開。とてもいいテニス仲間に恵まれて、彼らが毎年行うトーナメントでも2回も優勝していました。日本でもまたテニス仲間ができるといいのですが。

さて、今回のキーワードの「コミットメント(Commitment)」。Erinaさんの書かれていた例、とても納得がいきました。そう、コミットメントって何もrelationshipだけに使う言葉ではないのですよね。

うまい日本語がないかな~と探していて思いついたのが、漫画「スラムダンク」の一コマです(兄が大好きだったので家にコミックがあって私もはまりました)。

名言が多いこの漫画ですが、湘北高校のバスケチームを率いる安西先生が、神奈川県インターハイの予選決勝リーグで対戦する相手を前に言った言葉は、「もはや何が起きようと揺らぐことのない、断固たる決意が必要なんだ!」でした。

d0080549_10353760漫画の主人公である桜木花道も、試合が始まって戦っているうちにこの「ダンコたる決意」なるものを理解していくのですが、これこそ「コミットメント」だと思います。「約束」とか「目標」よりも強い、万難を排して、あるいは石にかじりついてでも踏みとどまって頑張りぬくという…「決意」ですよね。

Erinaさんがアメリカに留学して「良い成績をとる」ことを決意した時、他のことをいっとき後回しにしてでもその目標を達成することにコミットしたのです。

結婚という道を選ぶパートナーには、この点についての共通理解をぜひ求めたいところだなぁと思います。その共通理解がない相手とは、喧嘩のたびに「離婚だ!」と言い合うことにもなりかねません。しかも、この場合に持ち出される「離婚」という言葉は往々にして、相手を脅し、動揺させ、コントロールする目的で発せられるもの。発したその言葉を全うしようと言う意思…それこそ、その言葉に対するコミットメントもきっとないことが多いでしょう。

以前にもこちらに書いていますが、私は離婚が必ずしも悪いとは思っていません。相手が暴力的だったり、自分が失われてしまうような思いをしながら続けるべきものではないでしょう。でも、そうではなくただなんとなく心が離れてしまった…とか、もうトキメキがないから愛していないのかも、ということで関係をあきらめてしまおうか、という場合には、そこでもう一度「それでいいのか?」と思いとどまってほしいです。

この「コミットメント」を説明するとき、私がいつも引き合いに出す映画があります。”Fireproof”というタイトルで、結婚何年目かで気持ちがすれ違ってしまった夫婦の危機と再生を描いたものです。脚本や演技がとてもベタなところがあったり、随所にキリスト教の言及があって抵抗がある人もいるかもしれませんが、夫婦とは?結婚とは?ということを考える上ではとてもいい教材だと思います。

映画のテーマソング”Love is not a fight”の冒頭にもこんな箇所があります。

Love is not a place to come and go as we please
It’s a house we enter in, then commit to never leave

(「愛」とは好きなときに出たり入ったりするのではなく、一度入ったらもう二度と出て行かないと決意する「家」なのだ…)

最終的に結婚生活がうまくいったのかどうか?は結果でしかありませんが、少なくとも、そのくらいの覚悟をもって始めるべきものなのかな、と感じます。

最後にもうひとつ。

アメリカ人も大好きな自己啓発の言葉のひとつに

If you are interested, you’ll do what’s convenient.
If you are committed, you’ll do what it takes.

というものがあります。

自分がやりたいことや目標とすることに対して、ただ単に「興味がある」程度だったら、目標達成のために都合のよいことは行うだろう。でもコミットしたことに対してなら、どんなことでもやるはずだ、という意味合いです。“Do what it takes” は「どんなことでも(行う)」と言う英語的な表現ですね。

Are you interested?

Or are you committed?

断固たる決意をもって成し遂げよう!と思える目標をもつことは、時に人生をハードなものにするかもしれませんが、その経験はまた人生を豊かにしてくれるのではないかと思います。

次回のキーワードは、コミットメントとも通じる「パッション」です。Erinaさん、楽しみにしています!

夫婦、この不思議な関係

曽野綾子の「夫婦、この不思議な関係」を読みました。国際結婚成功コンサルタントとしてカップルのご相談を受ける私にとって、結婚そして夫婦についての著者の視点は大変興味深いものがありました。1931年生まれの著者が結婚した当時と現在の状況はだいぶ変わっているものの、「結婚とは」「夫婦とは」ということについて示唆に富むエッセー集ではないかと感じます。
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特に私自身の結婚生活を考えたとき「これは共通するものがある」と思ったのは、曽野綾子が表現するところの夫の「冷たさ」についてです。再三「夫は冷たい」という表現で描かれている夫の特性というのは、「彼は私に何ら『変われ』という期待をしていない」ということでした。妻に「もっと~だったらいいのに」とか「~をしてくれないと困る」というような期待を一切しないということ。私の夫もこの点は非常に似ています。よく言えば自立しており他人に自分を幸せにしてもらおうとは考えていない。でもこの「個人主義」は、裏を返せば自分が変わることで相手が幸せになるとは信じていないとも言えるのでしょうか。曽野綾子の父親は、彼女の母親に対して「変われ」という期待があったために、母親にとっては気の休まらない結婚生活が長らく続いたとのことでした(後年、彼女の両親は離婚を選択)。この両親の結婚生活について、曽野綾子は「父親は心が温かかったからこそ母親を躾けたいと思っていたようだ」という表現をしています。「心が温かいからこそ他人に期待をしてしまう」というのも一理あるのかとも思いますが、そもそもは赤の他人であるパートナーと共同生活を送るのであれば、心が温かろうが冷たかろうが、常に自分に対して「変われ、今のままのあなたではいけない」というメッセージを受け取り続けるよりは、そのままの自分を受け入れてくれる人のほうが穏やかな気持ちで毎日を楽しく過ごせるだろう・・・・と感じます。
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もちろん細かいことを言えば不平不満がまったくない夫婦関係なんていうものは存在しないのではと思いますが、結婚するまでの間に長い時間をかけて大人になってきている人間同士、根本の部分では「そのままを認め合う」ということがなければ、やはり楽しい毎日を送ることは難しくなるでしょう。自分がどの道を選択するにしても、結婚について思うところのある人は何らかのヒントを得られる本ではないでしょうか。